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新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
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「天にまします我らの父よ」

このフレーズ・・・TVのドラマやら小説などで見かけたり小耳に挟んだりするかもしれませんね。実はこれ、クリスチャンにとっては仏教でいう「お経」のようなものでして、主への祈り、主祷文と呼ばれるものなんです。

これは教会で行われるミサや熱心な信者の家庭では聖餐や聖者を自宅で祝福する場合に「お経」のように唱えられる、文字通り「お祈り」なんですよ。クリスチャンが「祈りを捧げる」「お祈りをする」といえば基本的にこの主祷文のことを指していて、これを覚えていないと話にならないという基本中の基本に位置するものなんです。
この「主への祈り」ですが、意外な事にキリスト教では唯一、子なるイエスが「父なる神(ヤハヴェー)」に祈りを捧げる時はこうこうしなさい」と明確に伝えたと言われるもので、実質的に「お経」「お題目」に相当するものとして伝えられているのはこれだけなんですねぇ・・・

以下にその全文をご紹介しましょう。



Our Father in heaven, hallowed be your name, your kingdom come, your will be done, on earth as in heaven.
天におられるわたしたちの父よ、 み名が聖とされますように。 み国が来ますように。 みこころが天に行われる通り地にも行われますように。

Give us today our daily bread.
わたしたちの日ごとの糧を今日もお与え下さい。

Forgive us our sins as we forgive those who sin against us.
わたしたちの罪をお許し下さい。わたしたちも人を許します。

Save us from the time of trial and deliver us from evil.
わたしたちを誘惑に陥らせず、悪からお救い下さい。

For the kingdom, the power, and the glory are yours now and for ever.
国と力と栄光は、永遠にあなたのものです。

Amen.
 アーメン



公式の日本語訳は時代と共に変遷していますので、ここでは現代文に近いものをあげています。これをいちいち解説すると宗教の回し者みたいになっちまいますのでそれはちょっとこのサイトの趣旨に合いませんが、物語の進行上、少し補足して置きたいのが「糧」と「祈り」に関することです。

日本語の糧に相当する英語が実は食料とか食事ではなくて「パン」になっているところに注目してください。イエスの時代の主食はパンでしたが現代の小麦とイーストでふっくらしたパンではなくて、どちらかと言うとせんべいに近いウェハースのような食べ物でした。パンは聖書にも度々出てきますが「主からの恵み」を象徴しています。

そしてこの「祈り」はイエスが「最後の晩餐(聖餐)」、つまりイエスが処刑される(受難)ためにローマ兵に引き渡される前に、弟子たち(12使徒)を囲んで食事をした時に伝えられた、と言われています。つまり、受難(試練)の前に子なるイエスが発した実に象徴的な言葉であり、簡潔にキリスト教の教義が述べられているんです。
例えば、ここでいう王国とは「最後の審判」を経て訪れる「神の国(千年王国)」を暗示しているといわれていますし、罪とは勿論、原罪のことを示しています。

ヴァチカン、フランス、スペインなどカトリック勢力がきわめて強かった地域ではしばしば教会なのに「葡萄の房」や「ワインを作るための葡萄の搾汁機」をあしらった紋章などがみられます。これはちょっと経緯を知らないとお寺で一升瓶を見かけるのと同じくらいの衝撃を受けてしまいますw

実は衛生状態が非常に悪かった当時、コレラやペストを心配せずに安心して飲める飲料はワインやビールくらいのものだったのです。ドイツではビールは修道士が醸造して信徒に振舞っていたという歴史がありますし、ぶどう酒の歴史も非常に古く、イエスが磔刑に処された折にも与えられています。嗜好品としてのビールやワインの歴史は割と浅くて日常に密接に関わっていた飲み物だったのですね。多分、この感覚は飲料水に事欠かなかった世界でも類を見ない日本とはちょっと趣が異なるかもしれません。

それから欧米で「生水を飲むな」という話は水道技術が発達した今日でも実しやかに続いているのですが、これもすぐにコレラ菌に汚染される地下水をベースにしていた時代の「恐怖という教訓」がそうさせている、という側面があります。地域差がありますが直接水道水を飲んでも問題ない場所もあります(例えばドイツの水質基準は非常に厳しい)。

話がややそれましたので元に戻すと葡萄酒の類は神聖なものを象徴しています。葡萄の房は「子なるイエス」を、そして葡萄の搾汁機は「子なるイエスの受難」をそれぞれ暗示しているため、だからアルコール=不謹慎ではなくて教会でもレリーフなどが飾られていたりするのです。

パンとワインはこのような理由から特に重要なものとされていて、ミサにおいてもイエス、聖母マリアの像に捧げられます。そして(こう言ってしまうと罰が当るかもしれませんがww)大して美味しくもないウェハースのようなヘンなパンは信徒にも振舞われることがあります。儀式の一部なので振舞われたものを捨てるわけにも行かず子供にとってはこれが結構苦痛だったりしますwww

そんなに深い意味をこの物語で与えるつもりはないんですが「糧」と「葡萄酒」については知っておくと違った見方が楽しめるかもしれません。


(文責:東郷太一)
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