忍者ブログ
新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

さて、9月といわれて日本人の頭にまず浮かぶイメージは「残暑」ですよね。今年の残暑は大変厳しいようで8月よりも暑く感じる日が多いと聞いています(実際地域によっては8月の最高気温を上回ったらしい)。ドイツでは9月といえば「収穫感謝祭のシーズン」ということになります。

処変わればなんたら…ではありませんが日本よりも高緯度の地域ではどっぷりと秋モードに入っています。すっかり秋も深まってくる9月から11月にかけてヨーロッパやアメリカでは「収穫感謝祭」が祝われます。一口に「収穫祭」あるいは「感謝祭」と言ってもその由来や風習などにはかなり地域差があります。

今日はちょっと日本では余り馴染みのない「収穫祭」「感謝祭」についてお話したいと思います。
世界最大級の「収穫感謝祭」 ミュンヘンのオクトーバーフェスト



← 1リッタージョッキを片手に微笑むゲルマン美女達の図

(収穫感謝祭の成り立ち)

収穫感謝祭は文字通り「豊かな実りに感謝の気持ちを捧げる」という人間なら等しく持っている大自然に対する畏怖、畏敬の念から発展したものです。そのため収穫感謝祭の起源は相当古いと言われていて、二足歩行を始めた人類が「農耕」を始めるようになってほどなくこの風習は生まれたとされています。

日本ではいわゆる「五穀豊穣の祭り(秋祭り)」がそれに当りますが、姿かたちは違っても世界の各所で何らかの「収穫を祝うイベント」が存在しているのはそのためなんでしょうね。

カヲル「祭りはいいね。ねらーが生み出したイベントの極みだよ…」
シンジ「カヲル君…2ちゃんの”祭り”とは違うよ。君は本当に超絶バカだね」



(収穫祭と感謝祭)

さて、収穫感謝祭は日本人的にはどっちも大差ないように感じますが、大西洋を隔てたヨーロッパ大陸とアメリカ大陸で(一応…)大きく2つに分けることが出来ます。どちらも「収穫」「秋の実り」に対してお祝いをすることに変わりはありませんが、特にアメリカとカナダでは略して「感謝祭(The Thanksgiving Day)」と呼ばれていて基本的に国の祝日になっています。

【アメリカ】 11月第4木曜日
【カナダ】 10月第2月曜日

ヨーロッパでは特に祝日と規定されているとは限らず、また一斉に祝うというよりも「自分達の村で祝う」という個別イベント的な捉え方をしているので本当にバラバラです。ドイツでは概ね9月の間に各地で週末毎にてんでに開かれます(日本の祭りに似ていますね)。そして「Harvest Festa」という表記が多く、略して「収穫祭」と呼ぶ向きが多いように思います。少なくともヨーロッパでことさらに「感謝祭(Thanksgiving)」というと「アメリカの祭り」のことを話しているとまず間違いなく受け取られます。「Harvest」を使えば大丈夫です。面倒なので以下、収穫祭としたいと思います。



(収穫祭と宗教の結びつき)

何かとアメリカの影響を受けている日本ですが11月23日に「勤労感謝の日」という時期的にThanksgivingにもろかぶりの祝日があります。これはアメリカの収穫祭を押し付けられたわけでもなく、便乗したわけでもなくて日本独自の収穫祭(新嘗祭)を戦後にGHQが占領政策の一環として「勤労感謝の日」に名前を変更させたことに始まります。特に11月23日に意味はなくて日本政府が太陽暦を導入した1873年の新嘗祭(それまで旧暦ベースだったため移動休日だった)が11月23日だったことに由来しています。すごい偶然の一致ですよね。

教会での収穫感謝の日一方、プロテスタントの影響が強いアメリカですが感謝祭の由来は意外にも宗教的なものではなく、先住民族(ネイティブアメリカン)のワンパノアグ族をマサチューセッツ州プリマスの農家コミュニティーが「食事会」に招待したことに端を発している、とされています(1621年秋)。前年の冬が異常な寒さでコミュニティーから多くの死者が出た時に近隣に住んでいたワンパノアグ族から支援を受けて全滅を免れたことに対する「感謝パーティー」がその由来。その後の不幸な開拓時代の歴史もあって一時期のアメリカではこの伝承を否定してプロテスタントの「神の恵みに対する感謝を捧げた日」であることを強調していたこともあったようですが、現在ではこの相互感謝の伝承を定説としています。その成り立ちからしてお分かりの通り、アメリカの感謝祭はかなり宗教的な意味合いが低く、もっぱら”クリスマス商戦の天王山”として有名です。Thanksgivingに七面鳥を食べるという風習もアメリカ独特であり、どちらかというと「家族で食事会をする日」という位置づけになっています。

地域の収穫祭の催し物に参加する親子連れキリスト教化の歴史を持つヨーロッパでは「収穫祭」は地域、民族固有の文化と根強く結びついていたため、異教徒の教化の手段として積極的に活用されました。例えば”ハロウィーン”がその典型です。元を正せばケルト族(イギリス)の収穫祭だったハロウィーンは先祖の供養もかねていたためちょっとおどろおどろしかったわけです。それを教会の公式行事として祝うことにしてキリスト教への改宗を推奨したという経緯があったんですね。後にイギリスではピューリタン革命などを経て強硬なプロテスタントたちがアメリカ大陸に渡って合衆国が成立したため、ハロウィーンはイギリス本土で廃れてアメリカで存続することになったわけです。これが”ハロウィーン = アメリカ人の祭り”というヨーロッパの認識の原因。



収穫祭の山車を引くロバ!このようにヨーロッパ各地で異口同音に土着の信仰をベースにしていた「収穫祭」を聖人や聖女などと結びつけて取り入れる政策をとりながらキリスト教は広まっていきました。ただ、収穫祭では出来立てのワインやビールを飲みながら陽気にバカ騒ぎをして厳しい冬に備えるというノリはそのまま残ったため、ドイツなどでも移動式遊園地が街にやって来るなど、本当に「祭り」という感じです。スペインでは収穫したトマトをぶつけ合う祭り、なんてのもあったりしてなかなか罰当たりです。そういう意味では教会も「手段」として用いただけなんでしょうね。宗教的な結びつきもゼロではありませんが基本的には薄いと思います。その地域の収穫祭に出かけてみると「キリスト教一色」に塗り潰されずに強かに生き残った郷土文化に出会えることもその魅力の一つなのかもしれません。

収穫祭に民族衣装を着て出かける人々スペインのトマト祭り。その名もトマティーナ








(狼と香辛料に出てきた収穫祭)

狼と香辛料「狼と香辛料(ラノベ/アニメ)」は管理人の大好きな作品の一つです。中世ヨーロッパ、特にハンザ同盟があった北ドイツに近い世界観が非常に気に入っています。アニメ第1期の1話でホロが移り変わっていく村の様子を少し物憂げな表情で眺めている描写があります。その後で行商人のロレンスが登場するわけですがその日が丁度、とある村の収穫祭だったわけです。その時に大きな山車(作中では狼)が出てくる描写がありましたが、こういう山車は地域によって本当にあります。果たしてそれがホロとロレンスの淡い恋物語と関係あるのか、ないのか、狼に似た山車が広場に登場するとちょっとワクワクさせられますね。



クマー!!


← 実際はドイツ某所のシンボルであるクマだったりするわけですがww





さて…LAS的な意味での収穫祭はどうなっちゃうんだろう…
アメリカ文化しか知らない現代の標準的な日本の中学生シンジはきっとアスカをいらつかせるんだろうなあ…



※ ちなみに「収穫感謝祭」が祝日というわけではない欧州では問題ありませんけどアメリカ、カナダでは日本人的に「感謝祭(Thanksgiving)」と「勤労感謝の日(Labor Day)」は混同しやすいかもしれません。この二つはまるで別物の祝日(但し、州に依存する)です。このLabor Dayとは直訳すると”労働者の日”という意味で欧州で言えば”メイ・デー”に相当する祝日になります(メイ・デーはドイツでも祝日)。アメリカ・カナダにおけるメイ・デーは5月ではなくて9月第1月曜日(アメリカの場合)です。時々、収穫祭と混同されたり、逆に感謝祭を勤労感謝の日と言ったりしますが全く違いますのでご注意下さい。


(文責:東郷太一)
PR
ブログ内検索
カウンター
since 7th Nov. 2008
Copyright ©  -- der Erlkönig --  All Rights Reserved
Designed by CriCri Material by 妙の宴
powered by NINJA TOOLS / 忍者ブログ / [PR]