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新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
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第七部 終わりの始まり

(あらすじ)
harpoon太平洋上に展開していた第七艦隊所属の第六駆逐艦隊が”消えた”奇怪な事件は衆目の目に晒されることはなく、国連軍内で「Case YAMATO」というコードネームで呼ばれることになり、新横須賀艦隊司令部付のドーソン大佐が特別調査チームのリーダーに選ばれた。
「ネルフで一番話が通じる人間は誰だね?」
「カーネル葛城を置いて他にいないでしょう」
「女Thor(雷神)か…いい人選だな…」



トライデント(英:Trident) …
Tridentそれは本来、海神ポセイドンが持つ三叉戟(矛の場合も)のことを指す言葉だが、Valentine Councilと呼ばれる6カ国(※ 日本、米国、露国、英国、仏国、独国)の政府関係者の間では汎用人型決戦兵器人造人間Evangelion(※ 略してEva)の事を示す隠語でもあった。

時折、比喩表現として政治家のスピーチでそれとなく表出することもあれば、人によっては“次世代抑止力兵器”と表現する向きもあったが(Ep#05_4)、あくまで隠語であるため条約条文は勿論のこと、あらゆる公式文書にもその言葉が現れることはない。

Evaが”トライデント”と呼ばれる理由は三叉戟の如く三つの側面を持つからといわれている。

一つは来るべき人類と使徒との戦いに備える決戦兵器としての希望(Hope)、二つ目はこのPSI時代において軍事均衡を保つ政治的な意味での抑止力兵器としての期待(Expectation)、そして…最後の三つ目は、人類を滅ぼすことも可能な唯一絶対的な力、最終兵器としての恐怖(Fear)である。

この3つを組み合わせたH-Ex-er…すなわちHexer (英語で“呪うもの”という意味)は、一種の皮肉であり、警告でもあった。この忌むべき唯一絶対の力を秘める”神器トライデント”は元は一つだったものが先に進めば3つの道に枝分かれしていく。それはあたかも人類が”選択”を誤れば自らを滅ぼし得るという理性的な躊躇と悪魔的な野望が複雑に絡み合い、身悶えする葛藤の象徴とも言えた。

いみじくもある政治家が言った。「人類の過ちを結集して作られたEvaにはHexerとしての宿業が付き纏うだろう」と。

これまでの兵器の常識を超える“超兵器Trident”…これを手にするものは自らその“呪い”を受け、世界に災厄をもたらす自覚がなければならない。その覚悟のあるものだけがTridentを統べることが出来る。そしてそれは…

神の如くに森羅万象の全てを手中に収め、天地の理を支配する全能なるものへの道標となることを同時に意味している。神への道であると同時に神への冒涜でもある…血塗られた罪深い道…

使徒を全て殲滅した後に残されたEvaは人類にとってまさに“呪い”でしかない。それは“他人に対する恐怖“に駆られた人間同士の相克し合う未来をも暗示していた。

”人の作りしもの(神器)”の本質でもあった。



「そーれ!ワン!ツー!ワン!ツー!ワン!ツー!ワン!ツー!!」

マリは陽気に唄を口ずさみながら海面を目指していた。エントリープラグ内がみるみる明るさを増していく。晴れ渡った太平洋の青い水面が間近に迫ってくるとEvaのオペレーションシステムが海面付近に展開しているOsprey (V-22) の存在を告げ始める。

「深度50切った!目標は全てロックオン!ふふふ…Mercuryからは絶対に逃げられないんだぜ、ネルフのわんこ君達!これでも喰らいな!」

伍号機の両肩に装着されているウェポンラックはIDAS(Interactive Defense and Attack System for Submarines)の一種で伍号機向けに開発されたミサイルランチャーになっていた。マリが軽く指先でスイッチを弾くとウェポンラックの先端が天に向けて開く。

「Salvo(
/ 発射の意。類義語に“Fire”があるが銃器類で断続的に撃つというニュアンスが強い。複数のものを同時に連続的に発射する場合はこちらを用いる)!!」

バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!バシュッ!

太陽の光を反射している青い水面にディッピングソナーを下ろしてホバリングしていたOspreyの編隊は一糸乱れず整然と並んでいたが、ミサイルの発射音を捕らえるとまるで蜘蛛の子を散らすかの様に散り散りに上昇を始めるが、海面を突き破るようにして現れたミサイルに次々と体を引き裂かれていく。

ぼごおお!!ぼごおん!!ぼごおお!!ぼごごごごん!!

伍号機から放たれた対空ミサイルは次々にOspreyに命中して雷鳴の様な爆発音と共に激しい火花を撒き散らしていく。数機が必死にミサイルを振り切ろうと試みていたがすぐに追いつかれて一瞬、花火の様に燃え上がると辺り一面に鉄の雨を降らしながら海の藻屑と消えていった。

ドバアアアア!!

強襲揚陸艦Wasp巨大な水柱の中から白い細身の機体が姿を現すと同時に火花と鉄の雨が降りしきる中をジェットスキーのように海面を高速で疾駆する。

「綺麗!さあてお次は…もっと大物だぜ!高速水流ジェット起動!イージス艦は後回しだ…へへへ」

伍号機は猛烈な速度でOsprey編隊の母艦になっていた大型強襲揚陸艦(ヘリ空母のようなもの)に向かって行く。
強襲揚陸艦の後方には巨大なクレーンが見え隠れしていた。

「ほーん。軍用サルベージ艦まで出っ張ってるとは用意がいいこって。よっぽどあいつら(中国艦)が見つけてきたこの槍が欲しいらしいな。そんなに見たいなら見せてやんよ。しっかり拝みな!」

伍号機が槍を肩の高さまで持ち上げると突然、強襲揚陸艦のMk29-8連装発射台からシースパローが次々と放たれる。しかし、伍号機の手前で全て「く」の字形に空中で捻じ曲がると轟音と共に炸裂した。辺りに火の玉と化した金属片を撒き散らしていった。

「残念だけどATフィールドはなあ…かなり研究が進んでるんだぜ…このEOS (※ Eva Operation Systemの略。Eva専用の特殊OSで赤木ナオコが基本概念を完成させたもの。ソースは全てMagiと共通)ver.9.01で完成してんだよ!」

ORD Phalanx CIWS矢継ぎ早に近接戦闘用の49連装ミサイル(短SAM)、そしてCIWSがまるで弾丸で南の透き通り様な青い空を埋め尽くすかの様に火を噴いた。

「Have a nice day dead…」

伍号機が槍を強襲揚陸艦の横腹に投げ付けると全長260mの巨大な鉄の固まりが忽ち「V」の字に折れ曲がり弾薬の誘爆で大爆発を起こす。巨大な炎の柱はあっという間に付近にいた軍用サルベージ艦をも貪欲な悪魔の様に一呑みにしていた。

どごおおおおおおおおおおおおんんん!!!

まるで海が燃えているようだった。マリは墓標のようにそそり立っている槍を引き抜くとふと異様な光景に気がついた。

「あれ?そういや…人間の姿が見えないんだけど…どって??」

マリは小首を傾げると辺りを見回す。地獄の業火のように燃え上がる強襲揚陸艦は真っ二つに引き裂かれて静かに海中に没しつつあったが、救命ボートや蛍光色のライフジャケットが海の上を漂うだけで人影は全く見えなかった。一瞬の出来事としても艦内に留まってい炎に撒かれるのを乗員が待っているとも思えない。

何なんだ…今まで気がつかなかったが…そういえばOspreyの時も撃墜した後でパラシュートが出てなかった…まさか無人兵器?いや…あり得ない…恐怖心を持たない機械がまるで人間みたいにMercuryが姿を表しただけで動揺するかのような回避行動をとるはずが無い…あれは合理的なアルゴリズムの動きじゃない…人間の行動だ…ん?

マリは伍号機の足元で波間に揺れるねずみ色の救命ボートの底の上にオレンジ色の液体が溜まっているのを見つけた。

「あれは…」

突然、エントリープラグ内に警報が鳴り響く。マリは索敵モードの感度変更を操作しようとした手を止めた。

「ちっ!お次はトマホーク(巡航ミサイル)かよ…次々とうるさい…ま、いっか!お楽しみのイージス艦の時間だ!」

マリが背後を振り向いた途端、炎の矢が次々と伍号機の手前で炸裂する。

ズズウウウウン!!

伍号機は紅蓮の炎の中を白い残像を残しながら駆け抜けていった。

国連軍第七艦隊(元米国太平洋艦隊)所属の第6駆逐イージス艦隊のCIC室は国籍不明の物体をソナーで捕捉して以来、パニックの連続でまさに部屋の空気は絶対零度のように凍り付いていた。

いともあっさりと中国原潜を撃沈した彼らだったが、2分を待たずに作戦区域に展開していた対潜ヘリ部隊と攻撃型原潜2隻は掃滅(
部隊全滅というのは本来的な意味として戦闘能力の喪失を意味しており実数的損失は50%を指しており、100%の損害は掃滅である)され、背後に詰めていた強襲揚陸艦との交信は完全に途絶していた。

更に…イージス艦が誇る警戒衛星等とのデータリンクは強力なジャミングによって妨害されたままだった。辛うじて水上に浮かび上がった巨大な航跡から位置推定を行ってトマホークを第3波まで発射することが出来たが全て目標の直前で破壊されていた。しかも最後の第3波で放ったトマホークには小型N2弾頭を搭載していたにも拘らずである。

まさに成す術無しという絶望的な状況が彼らの心胆を寒からしめていた。

この艦隊の指揮を執っていたのはボブ・フレッチャー少将だった。2002年の台湾海峡海戦で英国艦隊の危機を救った古参の老将で白髪と手入れの行き届いた口ひげが特徴的な巨躯の持ち主だった。歴戦の勇士である筈の彼も切り札のN2弾頭搭載のトマホークでも歯が立たないという得体の知れない敵に戦慄していた。

「ば、化け物め…追尾型IDASに排水量40000トンクラスの大型艦を一撃で真っ二つにする驚異的な兵器だと…やはり使徒だったのか…」

「司令官閣下!目標TN02-21が我が艦隊に接近中!接触まであと45秒!」

真っ暗なCIC室の中央に設置されたメインモニターには真っ直ぐ艦隊に接近してくる謎の敵が作る航跡が写っていた。唯一、海上すれすれを狙う小角レーダー(※ 架空設定)だけが映し出す魔物の手がかりだった。

rapidfire / 127mm速射砲「くそ…この悪魔めが…ハープーンは間に合わん!シースパロー発射!弾幕から出てきたところを速射砲で狙い打て!撃って撃って撃ちまくれ!」

「アイアイサー!!シースパローSalvo!!続いて速射砲自動管制用意!!」

現代戦における艦艇の装甲は第二次大戦当時と比べて非常に薄くなっている。これは有効射程距離が優に100kmを超える巡航ミサイルや音速で飛行する標的をも遠距離から攻撃することが可能な追尾ミサイルなどのハイテク兵器の普及により近接戦闘の機会が極端に減少していることが主な理由である。イージス艦における接近戦は基本的に緊急事態であると言ってもいい。

マリは伍号機に向かってくるミサイルの群れを見て不適に微笑む。

「活動限界まであと2分ちょいか…効かないんだよ!そんなヘナチョコ!心配なのは時間だけだよ!!」

ボゴ!ボゴ!ボゴ!ボゴ!ボゴ!ボゴゴゴオオオオ!

音速レベルの標的を想定しているハイテク兵器にとって速度という観点ではEvaは全く脅威にはなりえない。100撃てば確実に100発Evaに命中させることが可能であり、問題は通常兵器を寄せ付けない特殊装甲とN2爆雷すら無効化されるATフィールド、そして圧倒的な近接戦闘能力にあるといってもよかった。赤黒い弾幕の中から伍号機の白い機体が飛び出てくると一斉に速射砲が火を噴いた。

ぐわああああああん!!

手前のイージス艦の艦首にマリは持っていた槍を付きたてると横を通り抜けながら艦尾まで真っ二つに切り裂いた。轟音と共に激しい爆風が僚艦を襲う。

「さ、三番艦被弾!!被害報告は…だ、駄目です!!助かりません!!そのまま沈没していきます!!」

3番艦と呼ばれた駆逐艦は一瞬にして炎に包まれて轟沈していく。

「だ、駄目だ…まるで歯がたたねえ…たった一撃で…」

若いオペレーターが立ち上がりかけるがそれを見た老将は一喝する。

「ばか者!!落ち着いて狙い撃て!!敵の足さえ止まれば逃げるチャンスも出てくる!!」

速射砲が間髪入れず火を噴いていた。

しかし、雨あられの様に降り注ぐ鉄の雨を全てATフィールドで跳ね返していく。伍号機は水しぶきを上げながら水上を自在に滑走し、みるみる内に隣を航行していたイージス艦との距離を詰めていく。

「き、来た!!う、撃て!!撃って撃って撃ちまくれ!!」

伍号機の姿を見た艦内はもはやパニック状態だった。

「だ、駄目だ!!殺される!!あ、あれ…?」

伍号機はイージス艦の手前でいきなり急速潜航していく。

「き、消えた…?」

ずごおおおおおおん!

「うわあああああ!!」

今度は伍号機が海中から上に槍を向けて船体の中央を串刺しにしていた。まるでペーパークラフトの船の様にイージス艦は逆「V」の字になって折れ曲がりながら炎に包まれていく。

「に、2番艦続けて大破!!い、いや、そのまま沈没!!こちらに向かって来ます!!!!」

フレッチャーは立ち上がると大音声を上げた。

「Starboard!!衝撃に備え!!」

ぐしゃあああ!!

「ぎゃああああ!!!」

オペレーターの絶叫と共に突然、薄暗いCIC室に眩いばかりの太陽の明かりが差し込んできた。面食らったオペレーター達は目を両手で覆う。そこからはまるでスローモーションの様だった。

な、何が起こったんだ…お、俺は…俺はどうなった…

フレッチャーはゆっくりと顔を上げる。

目がようやく太陽の日差しに慣れてくるとCIC室の天井が吹き飛んでいることに気がついた。激しいスコールのように海水が艦上に降り注いできていた。

「うわああ!!ママ!!」

「しょ、少尉しっかりしろ!!メーディック!!メーディーック!!!!」

頭を抱えて座り込む者…すすり泣く水兵…大声で叫ぶ士官…まさにそこは阿鼻叫喚の地獄だった。

「な、何てことだ…こんな…こんな馬鹿げた戦争があるか…いや…戦争なんかじゃねえ…これは地獄だ…この世の地獄だ…か、艦長…おおい…誰かおらんのか…ん?」

フレッチャー少将はゆっくりと起き上がると自分の席の近くに座っていた筈の士官の肉体がまるで溶けていくかのように泡を吹き出しながら赤褐色の液体へと変化していく姿を見て驚愕した。

「に、肉が…溶けていく…あ、悪魔だ…悪魔の仕業だ!!おお・・・主よ・・・」

南の空が広がっていた。空の美しさとは対照的に目の前の光景は凄惨を極めていた。フレッチャーは顔面蒼白のままゆっくりと立ち上がる。

「なんなんだ…一体…俺は…俺は今…何を見てるんだ…夢か…これは悪い夢なのか…」

数々の戦場を生き残ってきた白髪の老将は巨大な影が自分の背後から覆いかぶさってくるのを感じて肝をつぶす。膝頭がガクガクと震えていた。

「て、テメーが悪魔の正体か…よーし見てやる…見届けてやるぞ!テメーのその姿をな!」

フレッチャーはまるで何かに取り憑かれた様に血走った目で後ろを振り返った。

真っ白にカラーリングされた機体、そしてマーメイドを思わせるようなしなやかな流線型のフォルムをした5つ目の巨人が悠然と海の上に立ってじっと自分を凝視しているのが分かった。手には太陽の日差しを浴びて黄金に輝くトライデントのような長い柄が握られている。

「な、なんだと…え、Eva…う、うそだろ…あ、あれは…あれはEvaじゃねえのか…まさか…Evaは俺達に福音(Evangelision)をもたらす人類最後の希望じゃなかったのかよ…」

老将は伍号機を暫く睨みつけていたが急に口元に不敵な笑みを浮かべる。

「ふっふっふっふ…こいつ…俺の様子を観察してやがるのか…おい悪魔!!テメーは一体何者だ!!」

すると伍号機から若い少女のような声が聞こえてきた。

「I’m no one (私は“誰でもない”)…」

「の…No one…誰でもないだと…?ふ、ふざけ…」

パシャッ

伍号機がフレッチャーに向けて槍を振りかざすと軍服からオレンジ色の液体を噴出して跡形もなく消えていった。いや、それだけではなかった。周りにいた士官や水兵たちも次々と解けて消えていった。

「やっぱり…思ったとおりだ…この槍のせいだったんだ…」

ずごおおおん!!ずごおおん!!

まるでマリの言葉に呼応するかのように最後のイージス艦は大爆発を起こすと海中にゆっくりと沈んでいった。

「活動限界まで残り1分13秒…まあまあだな…こちらMercuryだ。これより母艦に帰艦する。収容用意願う」

「Mercury。こちらイラストリアス。了解しました」

最後を見届けたマリは操作レバーをゆっくりと引く。伍号機は再び海中にその姿を消した。

「それにしても…あのおじいさんの気迫は凄かったなあ…目の前にいたら腰抜かしちゃいそうだったよ…でも…」

マリは再び青い空間が続く海の中をエントリープラグからじっと見詰めていた。

「ふふふ…そうだよ…おじいさんの言う通りだよ…このMercuryはあんた達の福音には違いない…違いは無いんだけどね…あんた達が何を“福音”と思っているのかは知らねえけどさ…人類は全て滅びなきゃいけないんだよ…これは滅びの始まり…
ギャラルホルンはかき鳴らされてしまったんだよ…」



新横須賀市。

かつて小田原市と呼ばれていた人口20万人の海に面した静かなこの町も他の地域と同様にセカンドインパクトを境に大きく様変わりしていた。世界規模の海面上昇に伴い、特に日本列島の太平洋沿岸部は巨大な津波に襲われて壊滅的な打撃を受け、また多くの尊い人命を失った。旧小田原市街もその殆どが押し流されるという未曾有の被害を出し、もはや自治体単独での復興が絶望的な状況であったが、旧小田原市は“新しい横須賀基地”として再出発する道を選んでいち早く立ち直ることに成功していた。

セカンドインパクト発生当時、日本の海上自衛隊と米国の日本駐留艦隊の司令部は横須賀市に所在していたが、基地施設の壊滅的ダメージとそれ以上に海岸線の変化が軍港としての機能を喪失させていた。当初、艦隊司令部はその代替地を東京湾の周辺に求めていたが津波と海面上昇の影響を受けて関東平野の沿岸部の大半が水没したままであった事と、そして何よりも軍港の立地条件を満たす適当な場所を見出すことが出来なかった。

そんな折に俄かに注目を集めたのがこの旧小田原市だった。海面上昇後の小田原近辺の海岸線は元々沿岸部に急峻な岩山が点在していたこともあって軍港として最高の条件を満たしていた。自治体単独での復興を諦めていた旧小田原市と極東方面の制海権維持という世界的見地に立った安全保障上の思惑はここに完全な利害の一致を見た。

旧小田原市の自衛隊及び米駐留艦隊の合同基地(後の国連軍第七艦隊総司令部)受け入れの表明はセカンドインパクトの発生から僅か1ヶ月弱という異例の早さで進み、当時の内閣総理大臣だった出雲重光の強力なリーダーシップの元で混乱する世界の中で最も早く復興に着手した町となった。
 
同年10月末には仮の艦隊総司令部がこの場所に置かれ、昼夜を問わない突貫工事で軍港の整備が進んだ。そして仮組みがあちこちに残る状態ながらも最初にこの場所に接岸した艦艇が南極海で九死に一生を得た葛城ミサトを送り届けに来た米国のミサイル巡洋艦ファーゴであった事はどこか因縁めいている。

2000年11月に小田原市議会は新横須賀市に名を改めることを全会一致で決議し、新横須賀市の誕生は混迷のPSI時代に一条の光を指す復興のシンボルとなった。この新しい市名は時を同じくして進行中だった首都機能の段階的な松本市への移転、いわゆる“第一次遷都計画”の要網に準拠するものだった。知名度を勘案した措置とはいえ従来あった地名を“首都東京”本位で塗り替える行為は決して諸手を挙げての賛同が地元から得られたわけではなかったが、少なくとも新横須賀市の誕生が方向性を失っていた日本に一つの道筋を示したのは確かだった。
 
少し話は逸れるがここで“第一次遷都計画”について触れておかねばなるまい。

第一次遷都計画とは明けて2001年の1月に出雲内閣によって閣議決定された旧東京都から候補地(松本市、長野市、甲府市、箱根市、飛騨高山市、京都市の6都市)への逐次移転計画のことであり、”非常時における暫定的な首都機能の移転”を目的としていた。恒久的新首都建設は後に策定されることになる“第二次遷都計画(2003)”を待たねばならない。箱根市、つまり現在の第三東京市への移転はこの第二次遷都計画で正式に明文化されることになるがこれは後の物語となる。

第一次遷都計画の構想を6つの候補地の中でいち早く受け入れたのが旧松本市であった。セカンドインパクト後、関東平野のみならず日本列島の沿岸部は大部分が冠水或いは水没していたため、実質的にこれらの場所に政治の中枢を置く事は不可能だった。後にこの遷都計画の基本方針は日本に特徴的な長野県などの高地に人口密集地を集中させるという国土開発の基本モデルになった(
当時の人類はセカンドインパクトの原因が判然としないことから第二、第三の洪水を警戒していた)。

一刻も早い首都機能の旧東京都からの移転を望んでいた日本政府は暫定的遷都という気軽さも手伝って殆ど日を置かずに同市の提出した受け入れ計画を承認し、それを受けて2001年1月末には早くも松本市は第二東京市(正式名称:首都特別行政区第二東京市)と名を改めた。その後、皇居や首相官邸を始めとする各政府機関の仮庁舎の建設工事が急ピッチで進み、まるで虫の知らせか何かの様に逐次移転が開始されたのである。
 
そして、第一次遷都計画発動から僅かに8ヵ月後の2001年9月1日…
 
政変が勃発した北朝鮮から飛来したミサイル群が水害からようやく立ち直りかけていた旧東京(旧東京の呼称は正式には第二次遷都計画の発表後に定着した)を襲ったのである。

ミサイル弾頭は当初、日本を完全に横切るかに見えたが途中で推進力を失って墜落すれすれの低空飛行で都心に落下した(
余談になるが北朝鮮の大陸弾道ミサイル、いわゆるテポドンが日本の上空を通過するから許される等という論調は実に愚かであるとだけ断っておく)。2001年3月に中越間で勃発した第二次赤瓜礁海戦の影響で米国を中心にした世界の目が南シナ海に集まっていた、まさにその一瞬の隙を突く形で東京は声を上げる暇(いとま)もなく一瞬の内に吹き飛び、完全に歴史の舞台からその姿を消したのである。

後に残ったクレーターには東京湾の海水が流れ込んで旧東京はほぼ全域が海中に没した。後に旧東京は放置地区エリア1995と呼ばれることになり、暫定的に国連の管理下に置かれることになった。600万人とも言われる遺骨の回収目処は14年が経過した現在も立たないまま干拓事業だけが静かに進んでいる。
 
第二東京市から新首都への恒久的移転計画(第二遷都計画)はこの日本建国以来最大の災厄(※1)の発生により沙汰闇となって現在に至っている。これが現在の日本の首都、第二東京市誕生の経緯である。
 
 
 
太平洋を望む小高い丘に国連軍第七艦隊総司令部が威風堂々と鎮座していた。
Yokosuka Base
地上3階地下5階の「コ」の字形の白亜の建物で、正面玄関にギリシャの神殿を思わせるような柱が等間隔に立ち、華美ではないが荘厳な雰囲気を醸し出していた。有事に備えて艦隊司令部の地上設備は全て事務所、会議室、応接室といった居住空間になっており、司令室や通信設備の一切は全て地下に設置されていた。

最上階の奥まった一室は国連軍第七艦隊総司令官であるヤコブ・ジェファーソン中将の執務室になっていた。眩い夏の日差しが差し込むゆったりとした部屋に重厚な執務机が置かれており、部屋の主は自分の目の前に立つ若い士官の顔をじっと見詰めているところであった。

「では…今回の“事故”の生存者はゼロ…そういうことかね?大佐」

「はい…残念ながら…実に不思議な話なのですが該当海域において遺体は一切見つかっておらず、まるで煙か溶けて海に洗い流されてしまったかのように痕跡もなく…こんな奇怪な事件は小官も初めてです」

ジェファーソンの顔は苦りきっていた。長身で贅肉一つないがっしりした体躯のマイク・ドーソン大佐はそんな上官に臆することなく淡々と報告を続ける。

「具体的にはフレッチャー提督の第六駆逐艦隊が北から、またテイラー少将の揚陸艦と引き揚げ作業艦が南南東から洋上で挟み撃ち、上空から対潜ヘリ部隊が示威行動、さらには日本の戦自の第2潜水艦隊所属の2隻が海中から炙り出すという作戦でしたが、中国艦が攻撃姿勢を示したことでやむを得ず撃沈…しかし。その後で謎の物体に襲われて全ての部隊が掃滅されたというのが今回の事件、Case YAMATOの概要です、閣下」
 
重苦しい雰囲気が辺りを包んでいた。ドーソンは理知的で均整の取れた眼差しを静かにジェファーソンに向ける。

「閣下、驚くべきは今回の戦自との共同オペレーションで展開していた兵力もですが…全部隊が僅か5分の間にやられてしまったことです…普通では考えられない事態です」

ジェファーソンは深いため息を一つ付くと天井を見上げる。

「信じられん…フレッチャーが指揮していたキャンプ、アマンダ、シロッコはただのイージス駆逐艦ではない…日本と共同開発した最新鋭のポセイドンシステム(
※対潜防衛システムのコードネームのこと。日本重化学工業共同体と米国の軍需産業コンツェルンが共同出資して開発した技術。海空両面で共同して潜水艦を徹底的に炙り出して追尾殲滅するという思想であり、先般の臨時国会で国防省と内閣官房保安室が上程していた協定と予算案はこのシステムのアップグレードに関してのものだった。Ep#04_4参照)を搭載していたんだぞ…どう考えても僅かな間に勝負が付くとは到底思えん…」

ドーソンは台湾海峡海戦の英雄を見る目を細める。本来、彼は第七艦隊司令部付きの目の前にいるジェファーソンの副官だったが、何故か今回の“事件”の調査を国連軍統帥本部から直々に指示されていた。この異例の措置に今、最も当惑しているのは彼自身であった。

「確か閣下とフレッチャー提督は台湾海峡海戦で共に戦かわれた戦友でしたね。アナポリスでも同期生であったと伺っていますが?」

「ああ…そうだ…あいつは寮監の目を盗む天才でな。俺達の部屋だけいつも酒とタバコには事欠かなかったよ…ポーカーで負けが込んでくればそれを他の連中に売って元手にしてな…ふふふ…やることは大雑把で大胆だが無駄のない男だった…あの時もそうだった…」

「あの時、と仰いますと?」

「台湾だよ…忘れもしない、2002年のクリスマスの日さ。衛星とのデータリンクが磁気嵐のせいで一切使いものにならなかったし、おまけに地軸が歪んだせいで外は季節外れの大型台風ときたもんだ…お蔭で我が第七艦隊は3分の1も戦力が揃わなかった…敵は英艦隊とウチを合わせてもまだ多い…それに近接戦闘っていう時代じゃないのに…まるで信号の無い田舎道での出会い頭の衝突事故みたいなもんだった…流石にあの時はみんなびびっちまってな…英艦隊が戦端を開いても誰も自分から動こうとはしなかった…そんな時だったよ…フレッチャーの奴が最大戦速で中国艦隊の背後に回り込んで行きやがった…」

老将は遠い目をしていた。強化ガラスの二重窓を通して僅かにセミの鳴き声が聞こえてくる。

「あれでみんなにスイッチが入ってな…次々とフレッチャーの後に付いてみんな突っ込んで行ったんだ(
米国ではしばしばこうしたヒーローが集団の中から突然生まれて絶体絶命の戦局をあっさりとひっくり返すことが多い。実に不思議な国家である。普段は傲慢不遜で愚鈍かつ臆病に見えるため、特に日本人は白人を意識の水面下で侮ることが非常に多い。しかし、白人は極めて合理的かつシンプルに思考し、実際に行動もするため、複雑に考え過ぎて時間を浪費する日本人の思惑を凌駕することも度々である。日本人は今も昔も自身を過信して相手を過小評価する傾向が強い)…全く何も考えずにな…周りは敵だらけ、狙いを定める必要も無かった…奴と俺は2回乗艦を変えて必死に戦った…ただひたすら目の前の敵に向かって行ったのさ…嵐が去って周りを見たら敵の姿は無くなっていた…その時初めて気がついたのさ…自分が生きているってことにな…まあ、それだけのことさ…それがどうかしたかね?大佐」

ジェファーソンは記憶の渕から戻ってきた途端、じろっと凄むような視線をドーソンに向けてきた。明らかに何かを警戒している、そんな雰囲気だった。ドーソンの胸中に疑念の黒い雲が立ち上り始めていたが、それを億尾にも出さずに抑揚の聞いた声を響かせる。

「いえ…特には…ただ、惜しい方を失ったと思いまして…」

「そうだな…あいつはいい奴だった…戦争になると全うな人間、まともな人間から先に死んでいく…生き残るのはいつもクズばかりだ…このワシを含めてな…」

「閣下…」

まるで穿き捨てる様な上官の言葉にドーソンは僅かに眉をひそませる。

「戦いで死ぬことが出来たボブ(フレッチャーのこと)が案外…俺達の中で一番幸せだったかも知れん…全く…下手に長生きするものでは無いな…つくづく嫌な時代に生まれたものだよ…」

ジェファーソンは自嘲気味に笑う。

「では…小官はこれで…失礼します」

ドーソンは老将に敬礼をすると部屋を後にした。僅かな違和感を残して…

「ふー」

部屋を出たドーソンは小さくため息を付いていた。

それにしても何なんだ、この後味の悪さは…如何に規定違反を犯したとはいえたった1隻の原潜の炙り出しにあれだけの部隊を差し向けるだろうか…それに…閣下のあの悔いたような態度…戦友を失ってショック状態なのは分かるが…だからといって何故…

「閣下は恐らく何かを隠している…」

「大佐、お疲れ様です!」

「あ、ああ、霧島少尉、君か」

ショートヘアの若い女性士官は顎に手を当ててやや難しい顔をしていたドーソンに向かって駆け寄ると踵を鳴らして敬礼する。ドーソンの腹心を勤めている霧島マナだった。マナは旧自派、すなわち旧海上自衛隊の出身であり、Valentine条約批准に伴って国連軍第七艦隊司令部の所属となっていた。

また、日本政府国防省外局の統幕本部長であり、国連極東軍と呼ばれる日本、台湾、韓国に駐留する国連軍を統括する作戦本部長を務めている海江田スグルの姪という一面も合わせ持っていた(海江田に関しては
Ep#07_8他参照)。

そんな経歴を披瀝せずとも一目で才気盛んという印象を相手に与える有能な女性士官だった。

「何か閣下とあったのですか?」

「いや、そういう訳じゃないんだ。ただ…何というか…妙に引っかかってね。何か隠し事をしているような感じがしたのさ。もちろん、確証は無いけどね」

「そうでしたか…確かに今回の“YAMTOの呪い“は分からないことだらけですよね」

「少尉、君の方では何か収穫はあったかね?」

「それが軍令部関係はさっぱり駄目でした。命令書の通りだ、の一点張りでして」

「だろうな…」

「ですが総合司令室のオペレーター諸氏に合コンのセッティングと引き換えに事件当日のことを聞きだしたところ面白い情報が手に入りましたよ」

「やれやれ…飲み会のアレンジ如きで簡単に口を割るようじゃ困るんだがな…第七艦隊的に考えて…」

「あれれ?てっきり褒めてくださると思ってたのに。予算の少ない内偵チームにとって何かを握らせることなくタダで情報が入るんですから喜んで下さいよ。それに嫁不足が深刻な我が軍にも長い目で見て貢献すると思いますけど?」

マナはいたずらっぽく笑うとドーソンを促した。二人は人気の無い長い廊下をゆっくりと歩き出す。

「お話したいことは二つです。まず中国原潜はかなり早い段階、つまり南極に向かう兆候が見られた往路の時点で既にマークされていた可能性があります」

「ほう…興味があるね…そんなことは一言も閣下は仰らなかったが」

「それからこの話はペンタゴンから日本の国防省の極東作戦局にJDLライン経由で流されていました」

「日本の国防省にかね?」

ドーソンは驚いて親子ほどに背格好の違うマナの方を思わず見る。マナの顔からは既に笑顔が消えていた。一層声を沈ませる。

「はい…それだけではありません…日本の国防省には情報が流された一方で…国連軍の極東本部には今回の中国原潜のUNI-666違反の可能性については一切情報が入っていないんです…」

「それは確かか?少尉」

「勿論。さっき伯父に電話して確認しましたから」

「そうか…海江田閣下がご存じ無いとはな…ということはこの情報はあの男で止められた、そういうことか」

「はい…ご明察の通りです…」

ドーソンは大きなため息を付く。二人は正面玄関から白亜の司令部を出た。基地の敷地はうだる様な暑さだった。司令部の正面玄関のロータリーには黒塗りのメルセデスが一台止まっているのが遠めに見えた。

「大佐、もう一つの方ですが…我が艦隊を襲った謎の物体は撃沈した中国原潜の後を追っていたところをたまたまポセイドンの網にかかったようです」

「そう判断した理由はなんだね?」

「はい、情報分析課の連中によると当日、謎の巨大物体は中国原潜が戦闘態勢に入る一方でセオリー通りに急速潜航をしています」

「つまり…同じ穴の狢なら共同歩調を取る、と」

「はい、ですが問題なのはそのタイミングです。中国原潜がアクティブを打たれてすぐ潜航した訳ではなく、あくまで動きを見極めた上で潜航を始めています…これは明らかに巻き添えを食らうのを回避したいという意思の現れです。つまり中国以外の者、ということになります」

「なるほど…見事だな、少尉」

「それからこの300メートル近い謎の物体ですが…これが艦隊を襲ったと考えるのは無理があります。洋上に航跡が縦横無尽に走っていることは警戒衛星が全てキャッチしています。航跡の大きさから判断して全長は30から40メートル程度ですので…」

「急速潜航する潜水艦らしき物体と洋上を駆け巡って艦隊を壊滅させた物体は別物というわけ、か…」

「恐らく…そして解せないのがこの洋上に航跡を残した30メートルの物体の姿は一切、警戒衛星に捉えられていません。なにやら物理的にエネルギー場を張っている様な…」

「使徒のATフィールドと似たような特徴というわけか…少尉…もしそうだとするとCase YAMATOは一筋縄ではいかないね…使徒らしきものが相手となると国連軍の管轄権を超えた話になってしまう…」

「はい…」

二人が車の後部座席に納まると音もなくゆっくりと走り始めた。

「で?少尉、君が用意してくれたこの車はまさか私をドライブに連れて行ってくれるわけではなさそうだね」

「もちろん。ドライブよりももっとエキサイティングな場所にご案内いたしますわ、大佐」

「ははは!それは楽しみだ。それで…ネルフで一番話が通じる相手は誰だね?聡明な君のことだ、だいたいの目星は付けてるんだろ?」

我が意を得たりとばかりにマナは不敵な笑みを口元に浮かべる。

「カーネル葛城を置いて他には無いかと」

「女Thor(雷神)か…いい人選だな…」

やがて車は新横須賀基地のゲートを潜って一般車両の行き交う幹線道路の中に紛れていった。



第七艦隊司令長官のジェファーソンは誰もいない自分の執務室でやや強張った表情を浮かべながらデスクの上の受話器を取っていた。

「もしもし…わたしだが…長門君かね?」

夏の日差しの中でセミの鳴き声だけが響いていた。

Ep#09_(7) 完 / つづく

 
※1 因みに第二次世界大戦における日本人の戦死者及び戦争被害者数は310万人と言われている。首都圏の人口が1300万人を超えているが国家の安全保障政策を疎かにする事は自殺行為である。僅か1発のミサイルが人口密集地に落下するだけで第二次世界大戦を超える被害をもたらす可能性がある。係る事態を招来させる人間は間違いなく人類史上最悪の犯罪者と言わざるを得ない。国際社会の常識だがミサイルを撃った側を非難するよりも備えを怠った側が愚かと判断される。個人同士の争いとは異なることを日本人は認識する必要があるだろう。

(改定履歴)
30th May, 2010 / 誤字修正
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