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新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
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さて、最近は鳩山内閣関係のネタがどうも尽きませんね。

まるで遣唐使みたいに小沢さんが大訪中団を引き連れて行きましたし、首相ご本人も「友愛」を旗印に中国や韓国といったアジアの周辺諸国との距離を急速に縮めようとしていますしねぇ・・・
まあ・・それ自体は悪いことじゃないんですけど、何でも「バランス」が重要ですよね。どっちかに肩入れしすぎるとちょっとよくないんじゃないかなあとは思います。

管理人の政治信条は右(保守)でも左(革新)でもなく、どちらかというと「俺流」な訳ですが、外国から今の日本を見ていると余計に意味が分からないので困ってしまいます。ドイツ人はとても政治の話が大好きで子供でも大人でもみんな熱く語り合います。

EUと日本の距離は物理的にも精神的にも結構あります。日本の地政学的な話がEUに及ぼす影響はそれほど大きくないこともあって関心が特別高いわけではありません(アニメ、経済、技術開発は除く)が、「お前日本人だろ?」「今の日本はどっち(親中or 新米)の方向に進んでいるんだよ?」とはよく聞かれる様になりました(ドイツ国内での中国に対する風当たりはかなり強い。ミュンヘンに世界ウィグル人会議を受けれたりしていますしな・・・)。
たまに「何で日本のハトヤマはLoopyというミドルネームがあるんだ?」と聞かれます。「おい…お前ツッコミ待ちだろ…」とちょっとムカつきますが…正直…すごく惨めです。

さてそれは置いておいて・・・今日はやや政治的なお話です。このサイトの趣旨に合わないかもしれませんのでご興味のある方だけ以下からどうぞ・・・

(右だ!左だ!論議の不毛さ)

友愛!平和!第9条!この辺のキーワードは日本ではある意味「最強」を誇っていてちょっとでも「いや・・」と言おうものなら物凄い勢いで「右翼」認定されそうな雰囲気がありますねw
日本では「右翼=軍国主義=ファシズム=マジキチ」みたいな恒等式がありますがこれは正しい「右翼」の定義ではありません。右だ、左だ、というのはそもそもフランス革命期のフランス議会で右側に「王党派(保守的な人)」、左に「革命派(革新的な人)」が分かれて座ったことに由来しています。間違ってはいけないのは「軍国主義」というのは右だろうが左だろうが、政治家が判断を誤ればその国はそうなっちゃうということです。だから「アイツは右翼だから軍国主義だ!」は物凄く間違いだし、ある意味で危険な思想なんですね。因みに第二次大戦の首謀者であるナチスは右翼ではなくて国家社会主義が旗印でしたからね。全体主義の人でも十分に軍国主義になっちゃうんですよ。
自民党=右翼、というのがもっぱらの通説ですが特定のアジアの国はニュアンスが違っていて自民党=帝国主義の残党、と考えている節があります。日本人なら分かりますが「それはねえよ」という感じですね。しかし、管理人的には自民党=保守かというと「比較的保守だが本質的な保守ではないよなあ」です。自民党も民主党もどちらも「保守系」の人がいて「革新系」の人たちがいます。これではどっちに票を投じていいのか、まるで分かりません。そう!日本の右も左も「人としての軸がぶれている」んです。
まずこの辺からして日本の保守派(右)と革新派(左)は物凄くカオスです。少なくとも欧米人にはまるで区別がつきません。日本の右、左の区別と定義はとても曖昧なんです。管理人から言わせてもらえば、こんなわかりにくい状態で「二大政党制」なんて変だろ・・・と思ってしまうわけです。ついでに言えば日本の新聞も何が主張したいのか意味が分かりません(定義が曖昧なので)。

 

(友愛外交は国際社会で意味が無い)

鳩山首相が旗印にしている「友愛」ですが、これは国際社会ではどう写るかというと「弱腰」「御し易し」「御人好し」「土下座外交」というように「まあ何て人格者・・・うっとり」みたいにはなりません。何故でしょう?何故かと言うと「徳をもって人を治める」という発想は「赤穂浪士」や「水戸黄門」が大好きな日本人的な発想であって日本以外の外国人には全く持ち合わせのない感覚だからです。
だから「ゆうあい☆キラッ!」としているにも拘らず中国から日本のEEZ(排他的経済水域)なのに「出てけよカス」と脅されたりしてますよね?あれがすべてを物語っていて「自分はこんなに愛してるのに!」と言っても相手が同じ様に「じゃあ私も!」となるか、と言えばなるわけない。そんな義理とか無いし。
そう!外交は武器を使わない戦争と言われていて「妥協=敗戦国」なんです。良いとか悪いとかいう以前に国際的な常識やルールがそうなんですから「おかしいじゃん!お前らには人の心は無いの?優しさは?」と言った所で「はいはいワロスワロス」で終わっちゃうんですね。
だから「友愛」ってマジで意味が無いです。こういうことを言う人は本当に国際感覚が疎い人だと思います。



(中国政府はぶっちゃけ日本をどう思っているのか)

これは非常に簡単です。「日本列島なんてなくなればいいのに・・」とガチで思っています。これは間違いがありません。何故でしょうね?それは「歴史的にムカついている」とかいうちゃちな理由だけではありません。基本的に中国人の国民性は物凄く現実的で物欲主義です。つまり「利益が無い」ことには全くといっていいほど興味を示さないんですね。以下に二つの地図を示します。

図1 日本から中国を見た場合←クリックすると拡大します(1350×793)

図2 中国から日本を見た場合←クリックすると拡大します(1350×793)
 
図1は社会科の授業でよく見かける構図ですね。日本から中国を眺めた時の地図です。図2は逆に中国側から日本を見た場合にどう見えるのかを示しています。この二つ同じ地域であるにも拘らず見方によって随分見えるものが変わると思いませんか?
そうです。何故、日本が中国からいびられ続けるのか、それは中国から見れば完全に「太平洋への出口」が塞がれてしまっているからです。アメリカと中国は表面上は仲良くしていますが、国際政治の舞台裏ではかなりお互いをけん制して警戒し合っています。中国は周辺諸国と国境問題でたびたび問題を引き起こしていますが、これは単純に「領土を広げたい」という領土フェチだからではないんです。中国人は利益にならない事は絶対にしません。自由に海に出られるというのは「シーレーン」という概念上、極めて有利に働きます。有事に海上封鎖をかけられるとたちまち物流などが詰まってしまうからです。
こうしてみると如何にも日本は中国の目の前に立ちふさがっていますね。もう日本列島というだけでかなり中国に対して「抑止力」になっているのです。この日本を自由に出来ればどれだけ中国にとって利益になるでしょう。そう考えると「地方参政権」ってどうなの?って考えちゃいますね。税金払ってるから、友愛だから、ていうだけでいいんでしょうかね??



(台湾をアメリカが護ろうとする理由)

これも図2を見れば明らかですね。台湾(中華民国)と中国が合体してしまうと台湾は間違いなく中国海軍の一大戦略拠点になるでしょう。もう誰にも気兼ねなく遠慮することなく、ばしばしと行きたいところに行くでしょうし、潜水艦も派遣し放題ですね。中国にとって台湾は日本をぶっ潰す以上に実現し易いんです。まあ、建前上は同じ中華民族ですからね。本土を押さえて大人口を抱える中国は市場として非常に力がありますし、先進国にとって魅力的です。それは一つの外交上のカードになります。それを中国はよく分かっているのでかなりそれを有効に使っていますね。それでもアメリカは中国に文句を言われながらもやることはちゃっかりやっています。台湾に武器を売りましたね。あれはまさに中国を封じ込めたいという安全保障上の目論見があるからです。日本にとっても台湾と中国が一つになるというのは実はかなり脅威になります。台湾と沖縄は非常に近いですしね。中国と台湾の距離感は今後一層外交の鍵になってくるでしょう。バランスを保つという考えが非常に重要になってきます。ここは素直にアメリカを見習うべきだと思います。




(日米同盟は主従関係じゃない)

見慣れた地図も見方を変えると随分と違った考えが浮かぶものですね。管理人も勉強になりました。ただ、日本の立地は対中国として見た場合に非常に大きな価値があることがわかります。日本の替わりを韓国がしたくても出来ないのは明らかですね。陸続きの場合はハイテク兵器の有無に関わらず陸軍兵力の大小で雌雄が決してしまいますから、陸軍的にも海軍的にも超大国中国の防波堤には全くなりえません。
対して日本は「海」という天嶮の要害を持っています。こうなると陸兵力で圧倒するという戦法は採れません。領空、領海に入ってこようとするものは防衛ミサイルで悉く打ち落とせばいいですからね。ハイテク兵器のアドバンテージがこれほど活かせる場所はありません。
しかし、問題点は日本が憲法第九条によって十分に武装できないことです。日本の自衛隊単独で日本を護る事はかなり難しく、「抑止力」としては不十分といえます。その不足を補っているのが在日米軍であるという事実を日本人は直視する必要があります。在日米軍は日本を「占領」しているのではなく、日本単独では不足している「抑止力の一部」を担っているに過ぎないのです。
「米軍はいらない」こういう時は必ず日本は名実共に自立する必要があるということを忘れてはいけません。つまり皮肉なことに「第9条」を守り続ける限り、米軍は撤退させるわけには行かない。このことを理解しておく必要があります。

因みに「抑止力」とは侵略するためではなくて、侵略されないために相手の戦意を挫くことが出来る兵力と装備を整える、という考え方です。国会中継で世界のハトヤマは「抑止力って何?」みたいなことを言っていましたが、国家元首としては極めてやばい発言です。他のG8の政治家がこんなことを言ったら間違いなく首相どころか議員の職を奪われるほどの大失言ですが日本ではまあスルーされるみたいですね。




(最後に)

管理人は特に何かを主張したいわけではありません。しかし、自分のおかれている状況や立場をじっくり考えてみる、という事は決して悪いことではないと思っています。正しい認識と自覚があってこそ、初めてグローバル化の意味も分かると思います。何か言うと「日本のグローバル化が遅れる!」みたいなコメントを聞きますが、たいていの場合、日本人のグローバル化は定義が間違っています。
グローバル化とは「日本以外の外国の言うことを素直に聞く」ことでも「人の意見に染まる」ことでもありません。「自分の主張をしっかり持って外国と対等に対話出来る事」が本当のグローバル化なのです。外国のご機嫌を伺うことではありません。国際経験を積めば積むほどその思いは強くなってくる筈なんですけどね。



 
文責 東郷太一
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