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新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
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番外偏 / der Berg Asama 思い出 (5)


The Flash Cards
(本文)


戦場では常に冷静でなければならない。
 
そして与件(制約条件)の中で最善の選択をし、最小限の行動で最良の結果を得ることをミッションという。
 
またそのために発現される遂行能力をリーダーシップと言い、チームのProductivity(生産性)を極大化することがリーダーに求められる最も重要な資質である。
 
それをあんたは片時も忘れてはならない…それがあんた…惣流・アスカ・ラングレーという存在よ…
 
Captain! Yes, Sir.
 
 
 
 
 
この大バカ野郎!!推定される原因は何だ!!
 
し、振動に…特に縦揺れに…
 
 
 
 
 
目標は現在、第一戦闘速度で北上中!あと2分でコンタクト!質問は?
 
Keinesfalls! (独語 No, Sir)
 
Survive! Over.(生き残れ!以上)
 
 
 
 
 
死ぬな!バカ!命令だ!あんたが生きる世界はこっちなのよ!あたしの命令が聞けないっていうの?!バカ野郎!あたしが死ねと言ったら死ね!死ぬなと言ったら死ぬな!
 
ママ…キャプテンは…いつも…無茶ばかり言うの…でも…アタシ信じてるんだ…
 
あなたを託してもいいのね…?あの人に…
 
ママ…また会ってくれる?ねえ…ママ…ママ!!

アスカ!!
 
 
 
 
 
特務機関ネルフ作戦本部所属セカンドチルドレン…同時に国連軍第一特殊機甲部隊准尉を命ず…おめでとう…フロイライン…いいえ…アスカ…
 
キャプテン…どうして…泣いてるんですか…
 
 
 
 
 
この襟章をあんたに付けるこの日をあたしがどれだけ待っていたか…あんたはあたしの唯一の戦友…それを忘れないで…お帰りなさい…アスカ…
 
ただいま…ミサト…
 
 
 
 
 
どうしてよ!アタシだけ…マニュアルを踏み外すなって…そんなのフェアじゃないわ!じゃあシンジやファーストはどうなるのよ!
 
そんな泣き言聞きたくないわね!あんたはいつからそんな甘ちゃんになったのよ?あたしの知ってるアスカはむしろそれを誇りにするわよ!あいつらとは違うんだってね!なにそれ?無印(素人)と同列に扱ってほしいってこと?ゴールデンイーグル(国連軍陸軍 / 鷲の襟章)が泣いてるわよ!
 
ミサト…
 
あんただけなのよ?戦略パイロットは…分かるでしょ?シンジ君やレイには無理なのよ…ましてマルドゥックが拾って来た様な奴になんて絶対に無理…ネルフを…職員1500人の命を守れるのはアンタしかいないの…あんたにしか出来ないのよ!この地獄を終わらせられるのは!
 
アタシにしか…出来ない…
 
 
 
 
 
いつまでもそんな事に拘ってないで…シンジ君を許してあげなさいよ…彼…あんたに嫌われたと思って落ち込んでいるわよ…
 
シンジが?嘘だ…アタシのこと…見ようともしないし…興味なさそうにしてる癖に…
 
まあね…あんたにはちょっと分かり難いタイプかもね…彼は…すごく繊細でシャイだからね…あんたよりも女の子っぽいしね…でも…かわいいじゃん?
 
確かに…ちょっとそういうところはカワイイかも…
 
「やっぱり…アスカでいいわ…」
 
「ええ!折角慣れてきたのに…何でまた急に…」
 
「うるさいわね!気分が悪いのよ!アンタにファミリーネームで呼ばれるの!」
 
 
 
 
 
ねえ…ミサト…今一番何がしたい?
 
うーん…氷河君のコンサートに行きたいかなあ…こんだけ仕事が不規則だとチケット迂闊に予約できないしさ…
 
バーカ…自分を何歳だと思ってるのよ…
 
なんですってえ!歳は関係ないでしょ!じゃあ!あんたは何なのよ!
 
思いっきりオシャレしたい…素敵なドレスとか着てさ…
 
なによそれー!いつからアンタはそんなゴスロリ趣味になったのよ!
 
ご、ゴスロリ!?アンタ、ばっかじゃないの!普通のに決まってるじゃん!
 
あんたの普通は世間様と随分ズレてるからね!防弾チョッキでも縫い合わせて作れば?
 
すっごいムカつく!
 
 
 
 
 
アスカ…解ってるの?あんたの今の行動は本当に正しいことなのか?あんたなら解る筈よ…この一番はレイしかないって…
 
アタシ…ずっと…ずっと待ってたのに…それなのに…こんなのって…嫌いだ…ミサトなんか…アタシにばっかり…我慢させて…自分は何なのよ!そうやってアタシから何もかも搾取していくんだわ!いつまでも言いなりになんかならないんだから!アタシはアンタの人形じゃない!
 
はーい!はーい!はーい!アタシがやりまーす!
 
自分の技量を的確に把握することもパイロットとして重要な資質…このミッション…残念だけどあんた向きじゃないわ…
 
立候補って言ったじゃーん!アタシ立候補しまーす!
 
どういうつもり…ミサト…こんな難しい仕事…お人形には任せられないわよ…特殊訓練を受けたアスカしか選択肢はない筈でしょ?それを立候補だなんて…何を考えてるの…アスカが立候補したから事なきを得たようなものだけど…
 
アスカ…あんた…解ってて立候補してるわね…あんたはあたしの意図を…全てを読んでる…どういうつもりよ…まるで挑戦するみたいに…くそっ!リツコがいる手前…このシチュエーションじゃあ…MAGIの見解を覆せない…仕方が無い…
 
他にキャンディデートが無いなら…この作戦担当はアスカね…それじゃ直ちにEvaにエントリーして…地上に射出次第、国連軍機がPick up作業に入る…空輸により西南から浅間山火口を目指す…以上…
 
ムカつくわ…事と次第によっちゃ許さないわよ!アスカ!
 
 
 
 
「アスカ・・・あのさ・・・これ・・・」

「えっ?」

ふと見るとシンジが赤い塗り箸を白い手に持ってアスカに差し出していた。

「これを…アタシに…?」

「うん…その…趣味じゃないかもしれないけど…もしよかったら」

シンジははにかんだ笑顔をアスカに向けていた。

シンジ…どうして…アタシに…アタシってこんなに…イヤなヤツなのに…優しくしてくれるの…アンタが何考えてるのか、イマイチよく分かんないけど…

「その…ちょ、ちょうど欲しいって思ってたのよね!Danke sehr(どうも)!」

本当はちゃんと…ありがとう…って…

だ、ダメだ…は、恥かしくて言えない…ヒラガナでたったの5文字なのに!使うのが…使うのが…とても難しい言葉…

「よかった…貰ってくれないかもって思ってたから…」

シンジはホッとした様な顔を浮かべていた。アスカは箸を握り締めたまま俯いた。

もっと…言うべき事も…いや…言いたい事が…本当は…たくさんある筈なのに…嬉しい事も辛い事も…

「う、上手くなるといいね」

箸は粗末な透明のビニールに無造作に入れられており、黄ばんだ値札のシールに750円と書かれていた。

「なるわよ…きっと…そんなの…当然じゃん…」

「そうだよね。アスカ、器用だもんね!」

バーカ…アンタの気持ちがそうさせるんじゃん…しょうがないわね…こんな素敵な物を貰ったのに…アタシが使いこなす姿をアンタに見せる前に…さよなら…する訳にいかないじゃないの…

二人はどちらからという事も無く土産物屋を後にする。

「レジって…何処なのかな…旅館の人も少ないしさ…」

「いいじゃん、そんなの。貰っちゃえば?」

「そ、そんな訳に行かないよ!」

「バーカ、冗談よ」

新居の契約…明日だ…本部に帰ったら止めますって言わないと…あーあ…面倒くさーい…

二人は並んで旅館の玄関の方に歩いて行った。

アタシ…自分の居場所を見つけた…何かそんな気がする…





Ep#06_(5) 完 / der Berg Asama おわり




(改定履歴)
7th June, 2009 / 統合によりエピソード#の採番変更
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