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新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
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第4部 The languor early afternoon 真夏の昼下がり R指定


(あらすじ)

使徒殲滅後の第三東京市はむせ返るような暑さが続いていた。けだるい夏の昼下がりに複雑な気持ちを持った人々。シンジは病室で夢か現(うつつ)か判然としない白昼夢を見ていた…
「アンタを見ているとイライラするのよ!!」
手首に付いた古傷の様な痕を見詰めるシンジ。
「僕たち…何のために…生きてるんだ…」


※ いつもの事ですが作者は大袈裟なのであまり気にしない方がいいかもしれません。一応…自己責任ということで…

(本文)


「な、なに!?ミサちゃんが降格ぅ!冗談は およしになってねティーチャー だぞ!マコト!テメーふざけてんのか?」

炎天下で全身を市販のビニール合羽に身を包んでいだ周防進は持っていたモップをアスファルトの上に叩きつけると日向の合羽の胸倉を思わず両手で掴んでいた。

「く、苦しいっすよ…スッさん…お、落ち着いて下さい…こんなこと冗談で言えませんって!」

日向は周防と揉み合いながら周防の腕を荒々しく振り払う。二人とも使徒の残留物の除去作業を地道にモップで行っていたが事情を知らない者から見れば街の清掃員がいがみ合っている様にしか見えなかった。

「何でなんだ!くそったれが!国連軍の一等十字勲章なんて殉職しても貰えねえっつーのによ!こっちでは表彰されてあっちでは懲罰かよ!どうせあのパツキン女(リツコの作戦部内でのあだ名)の差し金に違いねえ!」

周防は合羽から汗だくの暑苦しい顔を出すとポケットから汗でクシャクシャになったタバコを取り出した。

勤務中に喫煙場所でもないところでタバコを吸うのは明確な規律違反だったが特殊清掃車の数が圧倒的に不足した状態で国連軍と人海戦術で昼夜を問わず働きづめの作戦部や保安部の面々の士気低下は著しかった。

ネルフも国連軍も保安(憲兵、軍警察)組織を持っていたが保安部隊員自身がすっかり自堕落な状態に陥っていた。

そんな陰鬱な雰囲気の中でミサトの受勲は地上に展開している全部隊にとってささやかな救いになっていた。

それだけに周防の怒りは収まらなかった。叩きつけたモップを今度は思いっきり蹴る。茶褐色に変色した粘性のある液体の中をモップは水しぶきを上げながら滑行していった。

「やってらんねえ…まじで…技術部や総務の野郎共はエアコンの効いた部屋で手伝うどころか俺たちの足ばっかり引っ張りやがる…向こうがその気ならこっちにも考えがあるぞ…」

周防の凶悪な目つきに思わず日向はたじろいだ。

「な、何をする気ですか?スッサン…」

「知れた事よ!作戦部全員ストライキだ!俺は頭に来たぞ!そうだ!由良(ネルフ本部保安部長)にもナシ付けて全員でストだ!」

周防の目が血走っていた。携帯を取り出す周防の右腕を日向が慌てて掴む。

「ば、バカなことを言わないで下さいよ!早く片づけないともう4日目ですよ!周辺住民のみならず日本政府からも毎日矢の様な催促が来てるって言うのにそんな事出来る訳ないじゃないですか!それにこの暑さで伝染病の恐れだってあるのに!」

4日目の太陽もすっかり高くなって南中しかけていた。

最高気温もこのところ38℃を連日超えている。茹だる様な暑さに加えて特異な臭気とむせ返りそうな湿気が辺り一面に立ち込めていた。

周防はジロッと日向を見ると更に声を荒げる。

「うるせえ!これは戦争なんだ!だいたいだな!平和ボケした連中に一体この現場の何がわかるってんだ!ただでさえ糞ハエの様に上空にはマスコミのヘリが追い払っても追い払っても次々にきやがってイライラしてるってのによ!あいつ等まるでウチと国連軍が木偶の坊みたいに書き立ててやがる!それを庇うどころかいっしょくたになってバカにしやがって!もう勘弁ならねえぞ!」

伝染病予防のために低高度で消毒薬を散布していた国連軍のヘリが警告を無視して制限区域に入り込んできた新聞社のヘリとニアミスをしかけると言う事件も発生していた。

その新聞は市民の知る権利に対する挑戦と題して徹底的な指弾を国連軍とネルフに向けて不必要に世論を煽っていた。

もはやネルフの制服組にとって第三東京市はホームどころか完全なアウェーになっていた。この動きの機先を制するアイデアがミサトの地元夏祭りとの協賛だったが作戦部と保安部は心無きバッシングに耐えながら孤独な戦いを強いられていた。

だ、駄目だ…緘口令のつもりがかえって逆効果だ…僕が言うよりもスッさんの方がみんなに押さえが効くと思ったのに…

来年の3月末に定年を迎える周防は若手中心で構成される作戦部にあって最年長者だった。ミサトと周防の異色コンビはこれまで荒くれ集団の作戦部をよく纏め上げていた。

その事もあって日向は一も二もなく真っ先に周防にミサトの件を相談したのだが、その周防をしてこの反応を見せるとすればネルフ最大勢力の作戦部が今後どうなっていくのか…もはや日向には想像すら出来なかった。

しかし、今回の一件はミサトの最も近くに侍っている日向自身が一番納得していないのも揺ぎの無い事実だった。

僕は何のために仕事をしているんだろうって…今日…本気で考えてしまった…人類のため?ネルフのため?それとも…ミサトさんのため…

モップを握る手に日向は思わず力を込めていた。

「僕…セミの鳴き声が…いつもウザいと思っていたセミの声が…今日ほど心に沁みたことはないです…」

「な、何?せ、セミだと?セミか…そうだな…そうかもな…」

周防はほとんどフィルターだけになったタバコを足元に落した。

ジュッ…

小さな音を立ててタバコの火は消える。吸殻は血の色に似た水面を漂っていた。

日向の意図とは裏腹にこのミサトに対するネルフ本部の苛烈な処分はたちまちのうちに作戦部、保安部、更には国連軍にまで広がっていった。

この事はネルフ内の対立を増長させるのみならず、ネルフにとって最大最良の保護者であった国連軍との間にも深刻な溝を作ることになった。

特にミサトの叙勲を国連軍統帥本部に申請したマクダウェル少将の怒りはただ事ではなかったという。

後日、これらの感情的なしこりがネルフに大きな災厄をもたらす事になるとはこの時、誰も想像だにしていなかった。






第一中学校の2年A組の教室は昼休憩の喧騒に包まれていた。

トウジは3つ隣のケンスケの机をチラッと見る。席の主はこの2日ほど学校を休んでいる。夏風邪をこじらせて自宅のワンルームマンションに篭ったきりだった。

「あ、あのさ…鈴原…」

「んー?なんや…委員長やないか…どないしたんや…?」

トウジはぼんやりとした様子でヒカリに応える。腕を頭の後ろで組んだままだった。

「これ…よかったら食べない?」

「え…」

ヒカリは白い小さな弁当箱をトウジの前にぶっきらぼうに突き出す。

トウジは鳩が豆鉄砲を食った様にキョトンとした表情を浮かべると弁当箱とヒカリの顔を交互に見た。ヒカリはトウジと目を合わせようとせずただ真っ赤になって俯いていた。

恥かしい…は、早く受け取ってよ…

トウジはおずおずと弁当箱をヒカリから受け取るとまるで爆弾処理班の様に慎重に箱の裏から周囲を眺め回していた。トウジも思わず顔を赤らめる。

「ちょっと!別に怪しくなんかないわよ!」

ヒカリの声にビクッとさせたトウジはホゲッとした顔をヒカリに向ける。

「あ…い、いや…すまん…せやけど…ど、どないしたんや?これ…」

「その…ちょっと…作りすぎちゃって…もしよかったらって思って…」

まるで照れ隠しの様にぎこちなく笑顔を作る。

「そ、そうなんや…なーんや!そんならそうと早よう言うてえな!残飯処理ならいつでもOKやで!サンキュー!委員長!恩に着るで!」

トウジは大声で言うとヒカリの弁当箱を小脇に抱えて意味不明なメロディーを口笛で奏でながら教室の外に出て行く。

ヒカリは遠ざかるトウジの後姿を見ながらため息をついた。

「バカ…誘ってくれたって…いいじゃない…わたしも一人なのに…」

トウジは廊下に出ると足を止めて廊下の窓から遠くの方で沸き立つ入道雲を見詰める。

「捨てる神ありゃ…拾う神あり…ってか…人生っちゅうもんはよう出来とんなあ…」

弁当箱を両手に抱えながらため息を一つつく。

「こないな事してもろうて…何かアイツに土産買うたらなアカンな…何があるんやろ、松代…よう分からへんからな…あの辺…」







検査入院から検疫検査に切り替わったシンジの病室の前に「当番」だったレイが現れた。

病室のドアノブに面会謝絶の札が下げられているのを見て足を止める。

レイは暫くその場に立ち尽くす。

ドアの前でじっとしているレイを往来の患者や看護婦が訝しそうに流し目を送る。

「碇君…あなたの心が悲鳴を上げている…あなたは何を見たの…?」

レイは手に持っていた一輪の赤いチューリップを器用にドアノブに引っ掛けると再び来た道を一人で帰り始めた。







シンジが目を覚ますと窓からまぶしいほどの光が差し込んでいた。

基本的に健康状態に問題は全くなく、採血、レントゲン、CTスキャンなどの徹底的な検査を退院の延期と共に受けていた。

何か…問題でも見つかったんだろうか…急に退院が延期されるなんて…それに…急に精密検査だなんて…

不安が常に付きまとう。ありったけの勇気を振り絞ってその理由を検温に現れた看護婦に聞いてみたが本部からの指示と言うこと以外は分からなかった。

本部の指示って…リツコさんかな…それとも…父さん…

直感的にミサトの指示ではない、そんな気がしていた。

「ふう…」

小さなため息をつく。

みんな…どうしてるんだろ…

シンジは病室のベッドで夜は魘される日々を送っていた。

レリエルの中に埋没した後の記憶はシンジの中で曖昧な部分が多かった。エントリープラグの中で色々な人に出会った様な気がしたが殆ど覚えていなかった。

母さんやミサトさん…それからアスカにも会った様な気が…する…それだけじゃない…会った事も無いのに何で…僕はの名前を知ってるんだろう…

それが夜に眠りに付くと鮮明に蘇る、そんな状況に近かった。ただ睡眠不足を補う様に昼間は太陽の日差しを受けながらウトウトするという生活を入院以来送っていた。

シンジは恐る恐る左手首を見る。やはり古傷の様な跡が残っていた。

あれは…夢じゃないんだ…これから…恐ろしいことが起こる…そして僕たちみんな死んじゃうんだ…

シンジは思わずベッドの中で頭を抱えた。

怖い…怖いよ…僕に何が出来るっていうんだよ…無理だよ…そんなの無理なんだ…僕には誰も救えないよ…どうして僕なんだよ…放っておいてよ…

やがてシンジは頭の中に白い靄がかかる様な感覚に襲われる。

もう嫌なんだよ…僕を…放っておいて欲しい…何もかも…面倒臭い…




 

以前に貼ったものと同じです… 「悲しみの向こうへ




ここは…ここは僕の部屋?僕の部屋のベッド…

自分のベッドに腰を降ろした見慣れた後姿があった。

「あ、アスカ…会いたかったん…」

シンジが起き上がろうとした時、アスカは背中をシンジに向けたまま薄い黄色のTシャツを脱ぎ始めた。信じ難い光景に思わず身体を硬直させる。

引きつったように声が出なくなる。こうしている間にも何の躊躇いもなくアスカはショートパンツを脱ぎ捨て、下着も脱いでいく。

う、うそだ…

不意にシンジの目の前にアスカの白い裸体が浮かび上がってきた。アスカの顔は髪に隠れてよく見えない。

な、何で…僕まで…裸なんだ…

アスカがゆっくりとシンジに覆いかぶさって来る。アスカの肌は驚くほど白くそして冷たかった。全身に鳥肌が立つのをシンジは感じていた。

こ、この風景…どっかで見たような気が…する…

「何で黙ってんの…?アンタ…アンタが望んだ事でしょ…なんか言いなさいよ…」

え!ぼ、僕が…?!な、何を…

「…」

「さっきは殺す勢いでアタシの首を絞めてきたくせに…いいのよ…このまま殺してくれても…」

アスカの冷たい両手がシンジの頬に当てられゆっくりと顔を近づけてくる。シンジの顔をアスカの長い髪が覆っていく。

「アンタって…ハッキリしないわね…いつもいつも…」

「ご…めん…」

シンジがようやく発した声は余りにもか細かった。それを嘲笑うかのようにシンジの上でアスカの身体が小刻みに震える。

「ふふ…もういいわ…聞き飽きた…アンタのそのゴメンは…」

シンジの髪を両手で撫で付けながら両腕で頭を抱くとアスカはそのまま唇を重ねてきた。まるで別人の様に荒々しく唇を唇で弄ぶ。

ち、違う…こんなの…アスカじゃない…何か…い…いや…だ…

シンジは顔を左右に振った。まるでアスカから逃れる様な仕草だった。

自分にかかっていた亜麻色の髪が離れていく。恐る恐るシンジが目を開けると自分のうえに馬乗りになったアスカが冷たい空ろな青い瞳で見詰めていた。

濁った様な目の色。

口元はだらしなく薄ら笑いを浮かべていた。

これが…アスカ…そんなの…うそだ…

「アンタ…アタシとヤリたいんでしょ?一つになりたいんでしょ?」

「あ、あの…」

「何よ…赤ちゃんみたいにイヤイヤなんかしちゃって…せっかくのチャンスなのに…バカみたい…」

シンジの上でアスカはケタケタと乾いた笑い声を上げ始めた。

唾液で濡れた口元をゆっくりと左腕で拭うと今度はジロッと凄む様な目でシンジを見る。

「アンタはいつもそう…否定も肯定もしない…そうやって…アンタは平気でアタシを傷つけるのよ…いいわよ…殺せばいいじゃない…殺してよ…汚しなさいよ…何でもやってあげる…」

いやだ…こんなの…いやだ…

シンジがアスカから逃れようと身体をよじったその時だった。

「あっ…ちょ、ちょっと…」

アスカがシンジのいきり立ったものを掴むといきなり覆いかぶさってきた。二人は同時に身体をよじり低く短いうめき声を上げた。

音は殆ど同じでも全く異質な性質の声だった。

「…い…」

「…も、もう…やめに…」

苦痛に顔をゆがめるアスカの表情に思わずシンジは上体を起こそうとするが、驚くほど強い力でアスカは両手をシンジの胸に当てると強引に押し戻す。

「うるさい!!アンタは黙っててよ!!」

「あ、アス…」

「つぅ…う…ちくしょう…ちくしょう…ちくしょう…」

小さい甲高い声を上げながらアスカは激しく身体を動かし始めた。対照的にシンジはまるで庭石の様に微動だにしない。

天窓からもれるまばゆい光だけが二人を包んでいく。

「あ、アスカ…も、もう…やめて…」

「心配する振りは…やめてって…いってるでしょ?…それより…アンタの好きにしていいのよ…どうしたいのか…言って御覧なさいよ…何でもするわ…」

「頼むよ…やめ…」

いきなりアスカはシンジの両肩を手で押さえつける。

「アタシ…知ってるのよ…アンタが…アタシのこといつもいつも汚してるの…夢の中のアタシに何をさせてるのよ…今みたいなこと?…ねえ…教えなさいよ…どんな格好?」

「や、やめてよ…」

「言って御覧なさいよ…今ならその通りにしてあげるわ…いつもみたくして御覧なさいよ…」

「こんな…こんなのって間違ってるよ…」

バラバラだった二人の呼吸はいつしか一つになっていた。

「アンタ…人を本気で好きになったことないんでしょ?自分しかいないのよ…ここに…その自分さえも好きになったことがない…でもアタシとこんなことは出来るのね…」

「あ、アスカ…」

「気持ちいいのは…アンタだけ…でもいいわよ…もっと汚しなさいよ…アタシをメチャクチャにすればいいのよ…」

アスカの顔がシンジに近づいてくる。

「ちょ、ちょっと…も・・・もう止めてよ!」

「ねえ…教えてよ…アンタの言う通りに…何でもするって言ってるでしょ…アタシ…」

「だ、ダメだって!!」

「気持ち…いいんでしょ?ねえ…何か…言いなさいよ…アタシ…アンタに全部あげたのに!」

「あ、あぐ…」

シンジの身体が硬直する。

まるで脈動するかの様に小刻みに身体が動いている。アスカはそのまま力尽きた様にシンジにそのまま覆い被さった。

小さな飾り気のない部屋に二色の呼吸の音だけが響いていた。

「ねえ…何か言ってよ…」

「…」

「何で?何で…アタシに…甘えてくるのよ…」

アスカはゆっくりと上体をシンジの胸から離す。

「みんなから逃げてるくせに…どうして?今まで避けてたアタシに…何で今頃…」

「…」

髪の間から表情が見え始める。甘美な行為とは裏腹にそこには鬼のような形相があった。

「何で黙ってるのよ!アンタを見てるとほんっとにイライラすんのよ!!」

「あ、アスカ!待ってよ!そんなんじゃ…」

シンジはまばゆい光に包まれていく。アスカの白い裸体も光に溶け込んで消えていく。

「待ってよ!置いて行かないでよ!やっと会えたんじゃないか!」

アスカ…アルミサエルが綾波と一緒に消えて2日後のこの日…この後…アスカは失踪してしまうんだ…僕を残して…世界が終わるまで…僕たちはまた…

視界が完全にホワイトアウトしていく。

また…離れ離れに…なる…






シンジが目を開けるとそこはまばゆい光が溢れた病室のベッドだった。

「ゆ、夢…本当に…夢…」

まだ残像が頭に残っていた。身体が鉛の様に重たくそして気だるかった。

夢か…今のは何だったんだろう…でも…

するとベッドの横にある引き出しの上にいつのまにか17型の液晶テレビが置いてあり、その目の前にガラスのコップに入れられた一輪の赤いチューリップがあるのが目に留まる。

「誰か…来てくれたのかな…」

シンジはじっと赤いチューリップを見つめていた。

「何のために…僕たちは…生きてるんだろう…」

シーツを思わず握り締めると視線を天井に戻す。

「こんな未来…もう…いらない…」




Ep#07_(4) 完 / つづく

(改定履歴)
16th April, 2009 / 表現変更
28th Nov, 2012 / 表現修正
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