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新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
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ドイツ人にとって「誕生日」は非常に重要な日になっています。日本では誕生日というイベントは通常、「誕生日を迎えた人が主役」で「祝われる」のが常ですが、ドイツではこの感覚が狙い済ましたように「真逆」なのです。

つまり…

ドイツ人は誕生日を迎えた人がパーティー等を主催して家族、親戚、友人を招いて料理やケーキを振る舞い、招かれたゲストたちはよほどの事がない限り「招待を辞退」せずにプレゼントを携えてやってきます。誕生日を迎えた人はゲストを歓待して「いままでありがとう。無事に誕生日を迎えられたのは皆さんのお陰です」という気持ちを込めてお礼をする、という訳です。

小さい子供たちの場合は勿論、自分でパーティーを主催できないのでその両親がゲストを子供に成り代わって歓待するわけですが、この一部を切り取って日本では「お誕生日会」の風習になったのかもしれませんね。

(誕生日は正月よりも重要)

誕生日は特別なイベントです。子供の時から盛大に祝うため子供たちも自分の誕生日のみならず友人、知人の誕生日を意識するようになります。たまに日本でもデパートなどで見かけますが「誕生日ブック」という立派な記入式のカレンダーのようなノートに記入してチェックします。そして遠方でパーティーに出席できない人々は電話やメールで祝意を伝えます。
誕生日がどれだけ重要かというと「誕生日」を理由に会社も学校も休めるのです。
「明日、おばさんの誕生日だから休みます、先生」
「あらそれはいい事ね。もうプレゼントは決まってるの?」
「いえこれからです」
「やる気が無いわね、しっかりしなさい!」
みたいな会話が普通に交わされます。よく言われる事ですが1月1日は外国人(西洋人)にとってほとんど普通の日に多少毛が生えた程度の感覚ですが、誕生日を忘れるというのはありえない失態です。それを理由に離婚されても「それは当然よ!」と誰も擁護してくれないでしょうね。このドイツ人の感覚を知っておくとまた違ったLAS作品の妄想も浮かぶのではないでしょうか?



(おめでとう!早すぎるとブチギレ!)

誕生日における最大のタブーはどんなに忙しくても「誕生日よりも早くおめでとうを言ってはいけない」という事です。理由は誕生日前に祝われると「早死にする」という迷信なんですけども言い伝えがあるためです。これは「知らなかった」では許されないほど(ドイツ人にとっては)シャレにならない行為ですから細心の注意が必要です。何事にも時間に厳しいドイツ人ですが「おめでとう」だけは「遅刻」してもいいのです。



(ケーキやお菓子を自分で作るのは珍しくない)

ドイツではオーブンも一家に一台状態でスーパーに売られているケーキミックスやキットも非常に安くて充実しています。これは「誕生日を自分で祝わねばならない」という風習のせいなのかどうかは知りませんがとにかく日本の比ではありません。そして、日本ではケーキが焼ける女性は「特殊技能」の一つとして認知される事が多いのですが、ドイツ女性にとってそれは「味噌汁を作る」「餅つきの準備が出来る」くらいに民族文化に密接しているので全く特別な事ではありません。1時間足らずでチョコチップマフィン、パウンドケーキ、シフォンケーキを作ってしまいます。働く女性は街のパン屋さんやケーキ屋で買って職場に持っていくという事もしばしばですが、ケーキ作りは料理作りの一環として母親から手ほどきを受けるのが平均的な家族像のようです。



(少女たちの誕生日)

両親(特に母親)が料理やケーキを作って親戚や友達に振舞う姿を見て育ったドイツの少女たちはやがて思春期を迎える頃になると自分でケーキや料理つくりの手伝いをし始めます。自分の誕生日を自分で準備できるようになることは少女たちが一人前の女性として認められる通過儀礼のような側面があります。それは逆に少年が父親からナイフを与えられるのにも似ています。ナイフは分別が付く大人として認められたという証でもあります。
「自分の事は自分で」と自立した精神を男女共に求められる西洋では「誕生日」は単なるイベントにとどまることなく、「自分たちのプレゼンス」を示す場でもあるのです。



(最後に)

日本の「完全無欠のゲスト状態」はこれはこれで一つの文化なので肯定も否定もするつもりはありませんが「郷に入っては郷に従え」という言葉があるように臨機応変にその国の文化をしっかり理解することは重要と思います。さて、貴方の中のアスカはどういう誕生日をオーガナイズするのでしょうか?
それもLASの魅力の一つだと思います。


(文責)東郷太一
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