新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
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第6部 Schwarzschild シュワルツシルト
(あらすじ)
シンジが第三東京市内の室内プールから帰ってくると葛城家のリビングに如何にも怪しい装置が取り付けられた水槽が設置されているのを発見して驚愕する。一見して何の変哲もないアスカの金魚だったが、その約1ヶ月後にたまたま一人で留守番していたシンジは水槽から得体の知れない音を聞きつける。
「逃げちゃ駄目だ・・・」
自分ひとりで対処するしかないシンジは・・・
(本文)
シンジが第三東京市内の室内プールから帰ってくるとリビングに70cmはあろうかという大型の水槽が50型の壁掛けテレビの下に置かれているのに気が付いた。しかし、それは世の中の家庭用の水槽とは明らかに異なる様相をしていた。
ボトッ!
シンジは思わずスポーツバッグを床に取り落とす。
「な、何なんだ!これは!」
ペットショップで売られているような純正品の浄水機やエアポンプなどは全く使われておらず、水槽の横にプラスチックの筐体で覆われた如何にも怪しい装置が取り付けられているのを発見して驚愕する。
恐る恐る水槽の中をのぞくと一週間前にアスカがすくった小さな赤い和金が元気よく泳いる。シンジは少しほっとした。
水槽の中は一見して普通の金魚の飼育と何らも変わるところが無い。水槽の底には2cm程度の砂利が敷き詰められ、竜宮城をあしらった空気の排出口が置いてあった。
ふと見ると水槽の蓋の右上にシールが張られてあり、そこに金魚の名前と思しきアルファベットが書かれてある。
-Schwarzschild-
「あら、アンタ、帰ってたの?鈴原たちと会うって言ってたからもう少し遅いかと思ってたわ」
シンジがしげしげと水槽を見ている後姿にアスカが話しかけてきた。
「あ、ただいま。アスカ、これって・・・」
「アタシの金魚に決まってるじゃない。名前はシュワルツシルトに決定したから」
「シュワ・・・っていうかさ、この隣にある物体は一体・・・」
時折、プシュッという音を立てる不思議な装置をシンジは指差す。
「ああ、それはアタシが作った水槽の水を浄化するシステムと水槽内に送り込む空気の成分を調整するシステムが組み込まれているの。ちゃんと水槽の水はpHメーターとDO(溶存酸素濃度)メーターでモニターされていて異常をDetect(検知)するとアナンシエーターがアタシの携帯にエラーコードを自動的にメールする仕組みになっているわ」
アスカはすたすたとリビングの入り口から水槽の前まで歩いてきてシンジの隣に腰を下ろした。
「勿論、システムのStatus(状況)も15秒周期でデータロガーで記録しているわ。システムは思ったほどUnstable(不安定)じゃなかったからデータ量を削減する為にもう少し長めにロギングしてもいいとは思ってるけど。それからアタシの部屋のラップトップとUSBでコミュニケーションすれば表計算ソフトでTendency(トレンド)もちゃんと取れるし。どう?結構便利でしょ?」
アスカがにっこりとシンジに微笑みかける。シンジは一瞬、その笑顔にドキッとしてアスカから思わず目をそらす。この前の麦茶のコップについたアスカのリップグロスのことを急に思い出したのだ。
「そ、そうだね。これだったらシュワルツシルトも死にそうにないね・・・」
「油断は出来ないわ。大体手は打った心算だけど、何があるか分からないし・・・本当はBOD(生物化学的酸素要求量)をモニターした方がいいのかどうかまだ迷ってるんだけどね。今後のデータ次第では追加するかもしれないわ。制御ソフトを変えないといけないから一寸面倒くさいけど・・・」
プシュッ!
「ひっ!」
決して大きくは無いがまた装置から空気が噴出すような音がする。シンジは音が鳴るたびに体をビクッとさせる。
「あ、あのさ。さっきからこの変な音がするんだけど・・・」
「ああ、気にしないでいいわよ。システムを動かす計装エアーが噴出される音だから。全自動にしたからあちこちにソレノイドバルブを使ってるの。自前でエアーコンプレッサーを持ってるのよ」
「そ、そうなんだ・・・」
シンジはアスカの水槽の説明を殆ど理解することが出来なかった。これ以上何かを言われたところでチンプンカンプンだ。
「ホント助かったわ。これだけのものをまともに揃えると物凄く高くつくんだけど、リツコのところで全てのパーツを調達して組み立てたからアタシの負担はなし。自分で全てそろえるとなると・・・そうねえ、安く見積もってざっと5万ユーロね」
「5万ユーロって・・・1ユーロ100円としても・・・ご、500万円!?」
シンジは金額もさることながらこの金魚の飼育システムにリツコが一枚噛んでいると聞いてますます普通の水槽には見えなくなっていた。
しかし、これ以上ここで考えても意味はあまりないと思い直して話題をシステムから切り替える。
「あのさ、アスカ。餌はどうやってあげるの?」
「ああ、餌もきちんとタイマーで制御されていて決められた分量が自動的に水槽に投入されるようになっているの。だからやり忘れることも無いわ。超精密のロードセル(自動重量測定器)を使っているから金魚の餌の重量変化もきちんとDetectするのよ。ストックがアラームの下限値に達すればこれもあたしの携帯にメールが届くし。」
「・・・」
どうすればまともな金魚の飼育の話になるんだろう・・・
「なんか育ててるって感じがしないね。全自動だと・・・」
「そうかしら?とっても可愛いわ・・・」
アスカは四つん這いになって水槽をじっと眺めている。シンジはアスカの横顔をじっと見る。アスカがふいにシンジの方を向く。
「アタシ、この子を絶対大きくするんだから!」
大きくって言っても和金の大きさは決まっているのに・・・何か可愛らしいことをアスカも言うんだな・・・
シンジもにっこり笑いかける。
「そうだね。大きくなるといいね」
夏祭りからちょうど28日目。
暦の上では賭けの一ヶ月まであと3日と迫った土曜日の夜。この日、ひっそりと静まり返ったミサトのマンションにシンジが一人リビングでくつろいでいた。
ミサトはこのところ激務が続いており今日も家には帰って来られないという連絡をシンジはさっき受けたばかりだった。今日も深夜に及ぶ残業になるのだろう。ミサトは帰宅時間が夜12時を回る見込みだとよっぽどのことが無い限りネルフ内の職員専用の宿泊施設に泊まる。何よりも寝ることを優先するミサトらしい。
アスカは以前からの約束といって夕方からヒカリの家に泊まりに行っていた。シンジは同居人たちに虐げられることなく一人、まさに悠々自適に過ごすことが出来る。最高の土曜日の夜だった。
TVのチャンネルも勿論独占出来る。
シンジは普段は絶対に見ることの出来ない土曜日のゴールデンタイムにあるバラエティー番組を見ていた。アスカがいる時は裏番組である「J POP Club」に付き合わなければならないからだ。
アスカは日本固有のコメディーのノリに馴染めないらしく、ミサトとシンジが爆笑していても一人むすっとして画面を眺めることが多い。ミサトは適当な性格をしているため、歌番組がつけばアスカと一緒になってアイドルに黄色い声援を送る。要はテレビが付いていればなんでもいいらしい。こうなれば葛城家のチャンネルの支配権をアスカが握るのは自明の理というものだろう。
シンジは21世紀の日本のしかも第三東京市内に住んでいるのにも関わらず今見ている番組をリアルタイムで見ることが出来ない。ケンスケやトウジに録画してもらったDVDをしかもアスカがいないときを見計らって見なければならないのだ。
その苦労を思うと今日は本当に最高の夜だった。
暦の上では賭けの一ヶ月まであと3日と迫った土曜日の夜。この日、ひっそりと静まり返ったミサトのマンションにシンジが一人リビングでくつろいでいた。
ミサトはこのところ激務が続いており今日も家には帰って来られないという連絡をシンジはさっき受けたばかりだった。今日も深夜に及ぶ残業になるのだろう。ミサトは帰宅時間が夜12時を回る見込みだとよっぽどのことが無い限りネルフ内の職員専用の宿泊施設に泊まる。何よりも寝ることを優先するミサトらしい。
アスカは以前からの約束といって夕方からヒカリの家に泊まりに行っていた。シンジは同居人たちに虐げられることなく一人、まさに悠々自適に過ごすことが出来る。最高の土曜日の夜だった。
TVのチャンネルも勿論独占出来る。
シンジは普段は絶対に見ることの出来ない土曜日のゴールデンタイムにあるバラエティー番組を見ていた。アスカがいる時は裏番組である「J POP Club」に付き合わなければならないからだ。
アスカは日本固有のコメディーのノリに馴染めないらしく、ミサトとシンジが爆笑していても一人むすっとして画面を眺めることが多い。ミサトは適当な性格をしているため、歌番組がつけばアスカと一緒になってアイドルに黄色い声援を送る。要はテレビが付いていればなんでもいいらしい。こうなれば葛城家のチャンネルの支配権をアスカが握るのは自明の理というものだろう。
シンジは21世紀の日本のしかも第三東京市内に住んでいるのにも関わらず今見ている番組をリアルタイムで見ることが出来ない。ケンスケやトウジに録画してもらったDVDをしかもアスカがいないときを見計らって見なければならないのだ。
その苦労を思うと今日は本当に最高の夜だった。
シンジがスナック菓子を摘みながらTVを見ていると時折、プシュッ!とアスカ自作の浄化システムから音がする。結構慣れてきたとはいえ、不意に鳴る音にはやはり抵抗がある。
何か落ち着かないよなあ・・・
しかも、今日はこの家に一人なのだ。普段よりも心なしか音が大きいような気がする。
バラエティー番組もそろそろ終わりに近づいてきた時だった。
プシュッ!
バシャッ!
いつもの浄化システムの音に合わせてそれとは明らかに異質な音が一緒に聞こえてきた。
シンジはビックリしてソファから飛び起きる。
「・・・な、何だ?今の音・・・」
シンジは音の正体を突き止めるためリモコンでTVの音声をミュートにする。マンションは静まり返っている。
気のせいかな・・・
シンジは再びソファに横になる。そしてミュートを解除しようとしたときだった。
バシャバシャ!
何かが水を弾いているような音だった。
絶対何かいる!
シンジの鼓動がどんどん早くなっていく。真っ先に浮かんだのはペンペンが何か悪戯をしていることだった。いや、そうあってほしいというシンジの願望が半分混ざっていた。
シンジはペンペンの様子を確認する。ペンペンは自分の巣で熟睡している。
ペンペンじゃない・・・
プシュッ
「ひっ!」
聞きなれた筈の浄化システムの音だったが、今となってはそれがむしろ気持ちが悪く感じられた。
シンジは洗面所、風呂場、トイレ、シンクと家の水周りを次々と確認するが、漏れたり逆流したりする形跡は見られない。
一体何なんだろう・・・
シンジがキッチンで考えているときだった。
バシャッ!
また水を弾く音がした。
しかもそれはリビングから聞こえてきた。リビングで水にまつわる物は唯一つ。
水槽だ・・・
アスカの金魚を入れた水槽以外に考えられなかった。しかもそれはただの水槽ではない。14歳にして既に大学卒業の肩書きを持つアスカと新進気鋭の物理学者リツコの合作による水槽なのである。何が起こっても不思議はなかった。
シンジはキッチンの引き出しからすりこ木を取り出す。あまりにも護身用の道具としては頼りないが菜箸よりはましだった。シンジはすりこ木を右手に、左手に木製のまな板をもって一歩また一歩とリビングに置いてある水槽を目指す。
水槽は当初のTVの下からキッチンとリビングの間にある壁側に移設されていた。壁掛けテレビが地震で落ちた時のことを考えての措置だった。ミサトはボーナスで買ったTVを心配し、アスカは金魚を心配していたが・・・
よりによってこんな時に・・・
アスカがもし家にいれば一言いえば済む話だった。しかし、今日はマンションにただ一人なのである。自分で対処するしかなかった。
逃げちゃ駄目だ・・・
シンジは自分に言い聞かせながら水槽の前に立つ。なまじっか全自動で飼育がされていた為、この約一ヶ月の間、時折、システムのメンテナンスとデータの吸い上げをするアスカ以外、葛城家の住人は賭けの存在はおろか金魚がいること自体を完全に忘却の彼方に置き去りにしていた。
アスカが金魚の飼育に夢中になっているのはよく分かるが賭けの事を覚えているのかどうか傍目からはよく分からなかった。しつこいアスカがあの日以来、賭けに一切言及しないからだ。
水槽はアスカが今日の夕方にヒカリの家に出かける前にかぶせた風呂敷で覆われていた。この風呂敷の中にあるものの実態を正確に知るものはこの世でアスカしかいなかった。
シンジはありったけの勇気を振り絞って風呂敷の端を持つ。手が小刻みに震えている。もう紛れも無くさっきからの音はこの水槽からしている。音の大きさからしてかなり大きな生命体の筈だ。とても1ケ月足らずの和金が飛び跳ねて出すような音ではない。
これは金魚じゃない・・・化け物なんだ・・・僕は・・・いや、逃げちゃ駄目だ・・・
シンジは心を決めると一気に風呂敷を引く。
「う、うわあああああああああ!」
シンジは70cmの水槽の中を悠然と泳いでいる30cmはあろうかという赤い巨大魚の姿を見てその場にへたり込んだ。
「こ、鯉?」
しかし、姿かたちは紛れも無く和金そのものだった。鯉の特徴であるひげがまず無い。
シンジは水槽を前にしてアスカが自分に言っていた言葉を思い出していた。
・・・アタシ、この子を大きくするつもりよ!・・・大きくするつもりよ!・・・するつもりよ!・・・
シンジは何が自分でも悲しいのか分からないままさめざめと泣いていた。
「ど・・・どうして・・・僕の周りには普通というものがないんだろう・・・」
今日はこのマンションに一人で寝ないといけないのだ。この得体の知れない巨大魚と一緒に同じ屋根の下、一夜を過ごさなければならないのだ。
アスカとリツコが一体何を他に仕込んでいるのか、シンジには皆目見当が付かなかった。寝ている間に使徒に変身しても不思議は無い。
その時、シンジのジーンズの後ポケットに入れていたネルフ支給の携帯が鳴る。 「G線上のアリア」 の着信音はアスカからだ。
シンジは慌てて携帯を取り出そうとするがスリムジーンズの後ポケットから引っかかってなかなか携帯が出てこない。シンジはまるで地面の上に打ち上げられて悶える魚の様に体をまっすぐにして寝転がった状態で携帯を必死で取り出そうとする。
そしてやっとの思いで携帯を取り出すと必死の形相で携帯にかじりついた。アスカの声が聞こえてくる。
「Hallo?シンジ?あの頼みたいことが・・・」
「ア、アスカ!よかった!僕、アスカと話がしたかったんだ!」
「え!ど、どうしたのよ・・・」
電話の向こうのシンジがいつになく真剣なのにアスカはびっくりして思わず気圧されていた。シンジの荒い熱い呼吸が耳に届いてくる。
やだちょっと・・・どうしちゃったのかしら・・・いきなりアタシと話がしたいなんて・・・
シンジは巨大魚に関して聞きたいことが山ほどあった。しかし、焦りで何から聞けばいいのか頭の整理が全然付かなかった。
「アスカ・・・」
言葉が全然出てこない。
「き、聞いてるわよ・・・」
シンジは取りあえずアスカがいれば対処できることが多いことに気が付き、まず出来るだけ早く帰って来てもらえる様にお願いすることにした。
「は、早く帰ってきて・・・明日、出来るだけ・・・早く」
「え?い、いいけど・・・」
「きっとだよ!」
「・・・うん・・・分かった・・・」
アスカは顔を真っ赤にしてそのまま携帯を切ってしまった。ちょうどバッテリーが切れかけだったアスカの携帯は充電要求のメッセージがディスプレーされていた。
アスカは携帯のバッテリーが心細いことからアラームメールが受け取れない可能性を考えてシンジに金魚の事を気に留めておいて欲しいとお願いするつもりでラストチャンスの電話をかけたのだった。
「あっ!ちょっと!待ってよアスカ。まだ話があるんだ。アスカ?もしもし?もしもーし!」
シンジはリダイヤルをかけるが電源が入っていないという自動アナウンスが聞こえてくるばかりだった。
どうして途中で切っちゃうのさ!こいつ(巨大魚)の対処法をまだ聞いてないのに!
シンジは推定シュワルツシルトと思われる得体の知れない巨大魚を前にして地団駄を踏み、何度も何度もアスカにリダイヤルをかけるがついにアスカと繋がりを持つことは出来なかった。
シンジは一人、ミサトのマンションで慟哭していた。
「アスカ・・・僕を一人にしないで・・・」
さて、この話には後日譚がある。
見事に育ったシュワルツシルトはミサトの発案で金魚の品評会に出展、見事チームネルフは全国大会で技術研究奨励賞を受賞した。シュワルツシルトはネルフの応接室に新たに設置された特製の大きな水槽に移されてトロフィーと共に飾られることになった。
結局、賭けの方は存在を当事者同士がすっかり忘れていたため自然にノーゲームになってしまった。
賭けの事をカレンダーに印までつけて管理していた人物が一人だけいた。ファーストこと、綾波レイである。レイは「公約倒れ」を知ると先月のカレンダーを引き千切って荒々しく丸めて屑籠に投げ入れた。
「公約・・・公の場で公衆に対して約束すること・・・でも・・・果たされない無責任な放言の代名詞・・・」
Ep01_(6) 完 / アスカの金魚 おわり
(改定履歴)
28th May, 2010 / ハイパーリンク先を修正
3rd Sept, 2011 / ハイパーリンク先を修正
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