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新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
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第4部 A  groundless rumor 嘘と真


(あらすじ)

葛城家の夕食が始まっていた。シンジは食事もそこそこに自分の部屋に引き上げていく。シンジの様子を訝しがるミサトはアスカを問い詰める。
「またシンちゃんをコテンパンにしたんでしょ」
「アタシが知るわけないじゃないの!」
その時、アスカの携帯が鳴り送信者の名前を見たアスカはいそいそとベランダに出て行く。
「ふっ今のは男ね…」
急接近していくアスカと阿武隈は…

話は少し前に遡る。

昼休憩を終えて教室にアスカとヒカリが帰ってくると同じクラスの女子生徒がアスカのもとにやって来る。

「ねえ惣流さん!3年生の先輩とキスしたって本当なの?」

アスカは心底ビックリした様な顔をした。

「はあ?なにそれ?一体何のこと?」

「だってあたしバトミントン部の春日先輩から聞いたのよ。春日先輩はA組なんだけど同じクラスのブタクマ?カバ?何か知らないけどその人と桜並木のベンチのところでキスしてたらしいって言ってたわ」

アスカは目をぱちぱちしていたが、「阿武隈のことだ!」とさっきまでのやり取りに思い当たる。

「そっそんなの何かの見間違えに決まってるじゃない。アタシがそんな事する訳ないわ!」

「でも・・・」

「でも何よ!」

「キスって外国では挨拶代わりなんでしょ?」

がたんっ!

アスカは軽い目眩に襲われてよろめきながら教室の扉の柱にしがみついた。

「アスカ、大丈夫?」

「あっ悪夢だわ・・・MI-6?いやCIAかしら?これは何かの陰謀に決まってるわ・・・」

「違うの?惣流さん・・・」

キッとアスカはいきなりバトミントン部のクラスメートの方を向くとその両腕をひしっと掴む。

「アンタねえ!幾らアタシがクォーターだっつってもサルじゃあるまいし、そこら辺で適当にするわけ無いでしょ!そのイメージは明らかに間違ってるわ!外国人でも女は女よ!恋人でも無い人とキスなんかするわけ無いじゃないのよ!」

「きゃああ!」

アスカはバトミントン部のクラスメートの身体を前後にがくがく激しく揺する。

「でも惣流さん・・・」

「何よ!」

アスカは話しかけてきた別のクラスメートの方に向き直る。

「あたしたちは惣流さんの言ってることを信じるけど・・・学校中凄い噂になってるわよ。あたしはバスケ部だから部活で代弁してあげてもいいけど・・・その・・・学校の全員に事情を説明して回るのって不可能じゃないかしら・・・」

学校中ですって・・・?

ばたっ!

アスカは思わず立ちくらみを覚えて教室の出入り口に手と膝を付く。
OTZ

「アスカ!」

「惣流さん!」

 ヒカリたちがアスカを抱きかかえる。アスカの顔は顔面蒼白になっていた。

トウジとケンスケは教室の奥からアスカの様子を見ていた。

「くっくっく。惣流のやつのあの取り乱しよう。滅多に見られるもんじゃないよな。こっちはいつも一方的にぼこぼこにされてるからな。たまにはいい薬だと思わないか?トウジ」

ケンスケがニヤニヤしながら成り行きを見守っている。

「ワシは女同士の噂っちゅーもんは基本的にいけ好かんのや。せやけど、まあこれであの女が少しはしおらしくなるんやったら、それはそれで世界平和の為になるんとちゃうか?」

アスカの教室内のこの弁明はキスが誤報であって欲しいと願っていたクラスの男子生徒には朗報となり、あちらこちらで安堵の声が聞こえ、あるものはガッツポーズをして喜びを表現していた。

「それはそうとシンジのやつ。さっきから何処に行ったんだろうな?」

「そういえばさっきから姿を全然見いへんな・・・」

ケンスケは教室を見渡したが姿が見えなかった。アスカは女子生徒たちに抱かかえられながらようやく自分の席についているところだった。




 
同じ頃、3年A組の教室では目が血走った数人の男子生徒たちに組み敷かれている阿武隈の姿があった。

「おい!ブタクマ!お前が何で惣流と!いつから付き合ってるんだ!白状しろ!」

「ひー!お助けー」

阿武隈は教室の床に押し付けられ両足は柔道部の男子生徒によって四の字固めを受けていた。

「それから何をアスカちゃんから貰ってたんだ?」

「貴様のこの汚らわしい口がアスカちゃんの・・・打ち殺す!」

サッカー部の男子生徒のニードロップが阿武隈の腹に容赦なく何度も打ち込まれる。まるで高層ビルのくい打ち現場の様な雰囲気だ。

それを遠巻きに見ている女子生徒の一人が阿武隈に話しかける。

「ブタクマ。お前、あの子とキスしたんでしょ?」

「お、お慈悲をー!お代官様!」

本当に許しを請うているのか疑ってしまいたくなる様な阿武隈の言葉は殺気によって無残にかき消された。

「くっそー!ブタクマ!どうなんだ!返事次第では腕の2、3本はへし折るぞ!」

3本目の腕とは一体どこを指すのかは不明だが特にサッカー部の男子生徒の目には明らかな殺意が浮かんでいた。

「してません。キスは・・・断じてしておりません!どうかお慈悲を・・・」

「何?本当なのか?おい、どうなんだ!ブタクマ!」

全員の手が止まる。

「で、ですから・・・キスは・・・致しておりませんし・・・お付き合いもまだしておりませんです・・・」

「本当だな?その場しのぎで適当なことを言ってるなら舌の1、2枚は覚悟するんだな!」

いちいち指定する人間の部位の数が1つ多い。

「本当です!本当ございます!神に誓います!」

「そうか。じゃあ今日はこれくらいで勘弁してやるか!」

3年A組の男子生徒の間に安堵のため息が漏れた。

「そうよね。いくらなんでもあんな子がわざわざブタクマなんかとキスする訳無いよね」

「あたし、悪いことしちゃったな・・・部活の後輩に思わず喋っちゃったからな・・・」

「春日、仕方が無いって。みんな勘違いするよ」

「まあね・・・」

「おい、ブタクマ!そういやお前!アスカちゃんから何を受け取ってたんだ?ま、まさか携帯番号とかじゃないだろうな?」

「ひっ!びくびく!」

阿武隈の様子を見ていた男子生徒が再び一斉に襲い掛かってきた。

「どうなんだ!ブタクマ!」

「ひー!お助け!」

予鈴と共に第二ラウンドが始まっていた。




 
阿武隈は幾重にも続く拷問に耐えてついにアスカとの約束を果たして口を割らなかった。クラスメートたちは少しいたぶれば簡単に白状していた阿武隈が沈黙を押し通したことでこれもキスと同様に誤報と判断したようだった。

それ以上の追及はなかった。

阿武隈は全身を塵だらけにして一人ぽてぽてと帰宅していた。

阿武隈にはまだ残された重要なミッションがあった。それは今度の日曜日までにデートコースを作ってアスカとのデートを無事に終わらせなければならない、というものだった。さっきの拷問よりむしろこちらの方がお礼という名の拷問だった。

とはいうものの・・・女の子とのデートって何をするんでしょうか・・・

阿武隈は弱り果てていた。

学校から阿武隈は駅を抜けて第三東京市駅前商店街の方に歩いていく。商店街の裏路地に入って暫く行くとこざっぱりしたワンルームマンションが姿を現した。阿武隈の下宿先だった。

しかし、部屋の中は凶悪な環境だった。足の踏み場が無いほど色々なものが散乱していた。

おもむろに阿武隈はデスクトップ型PCの前に座るとスイッチを入れた。そして自分が主宰するサイトである「イヴの広場」のチャットルームに向かう。ここには阿武隈を「神」と仰ぐ全国の阿武隈のCGファンが常時何名かは必ず入っている場所だった。

今日は平日の夕方であるにも拘らず既に10人が入っていた。ここでの阿武隈のハンドルネームは「管理人的な人」だった。




 
"管理人的な人"さんが入室しました。ルールを守って楽しく過ごしましょう!

34        管理人的な人:            おっはーでございます > all
35        戦巫女:                 おはです >神
36        MCM34:            神!
37        ゲスト3:               誰?神って>35
38        女神王:                 おひさです! >神
39        戦巫女:                 神知らないの?>37
40        MCM34:              師ね>37
41        管理人的な人:     今日、私の女神が降臨してきますた
42        ゲスト2:               ボケ>40
43        ゲスト3:              しらね>39
44        戦巫女:                 アスカたん?>神
45        MCM34:              おちろや >42 >43
46        ゲスト1:              只今、ロム中 (・・
47        女神王:                 アスカたん!
48        管理人的な人:     アスカたんがデートしてくれます
49        ゲスト3:               お前がおちろや >45
50        MCM34:              アスカたん!!
"ゲスト2"さんは退出しました。また来てね!Ciao

51        戦巫女:                 ほんと?すご >神
52        女神王:                 まじですか >神
"ゲスト3"さんは退出しました。また来てね!Ciao

53        ゲスト1:               只今、ロム中 (・・・
54        管理人的な人:     アスカたんがデートにさそってくれました
55        MCM34:              神がさそったんですか?
56        MCM34:              ごめん ↑
57        管理人的な人:     プレゼントした絵のお礼ってことで
58        女神王:                 おめでとうございます >神
59        戦巫女:                 おめです!>神
60        ゲスト1:               只今、ロム中 (・・・・
61        管理人的な人:     デートコース考えろといわれてヤバイっす・・・お助けをー
"イーグルシャッター"さんが入室しました。ルールを守って楽しく過ごしましょう!

62        イーグルシャッター:         おはようございます>ALL
63        女神王:                 第二東京市
64        戦巫女:                 おひさー>イーグルシャッター
65        女神王:                 おはです>イーグルシャッター
66        MCM34:              やっぱ新アキバっしょ!>神
67        管理人的な人:     おっはーです>イーグルシャッター
68        イーグルシャッター:         神!
69        戦巫女:                浅間山は?使徒出たけど(爆)
70        ゲスト1:              只今、ロム中 (・・・・・
71        MCM34:              浅間山はヤバクね?>戦巫女
72        女神王;                 新アキバ!イイ!>MCM34
73        戦巫女:                アスカたんは新アキバ大丈夫?>神
74        管理人的な人:    分かりません・・・>戦巫女
75        MCM34:             問題なし!ゲーム大会出てたよ、アスカたん>戦巫女
76        戦巫女:                まじっすか?>MCM34
77        管理人的な人:    本当ですか?>MCM34
78        ゲスト1:              只今、ロム中 (・・・・・・
79        MCM34:             まじです。市内の夏祭りで見ました>神
80        MCM34:             うざ!>78
81        女神王:                アスカたん、サイコー!
"ゲスト1"さんは退出しました。また来てね!Ciao

82        MCM34:              しかも激ウマっす。萌えます!>戦巫女
83        管理人的な人:     どもです>MCM34 新アキバにします!
84        戦巫女:                 がんばってー>神
 

阿武隈はチャットルームを退出するとさっそくプランを練り始めた。





 
葛城家では久しぶりの3人揃っての夕食が始まっていた。

シンジは夕食の準備をする間、チャンネルを国営放送の夜のニュースに合わせることにしていた。洗濯の計画を立てるための天気予報の確認が目的の大半だった。

アナウンサーが10日前に  起こった国防省幹部自殺の捜査に関する警察の談話を抑制の効いた声で紹介しているところだった。

領海侵犯の原潜を察知出来なかった事をマスコミから吊るし上げられていたのを精神的負担に感じていたという上司のコメントが流され、司法解剖の結果も不審物は検出されず、状況から総合的に勘案して自殺と警察当局は断定することが伝えられていた。

やがて夕食が食卓に並ぶとアスカとミサトが何処からとも無く現れて銘々の位置に座る。

そしてチャンネルは歌&トーク番組の「Music Square2015」にいきなり変えられた。二人はこの番組が大好きだった。

特に今日はアスカが大好きな女性バンドグループ「Strawberry Fields」がゲストライブをする予定だった。シンジは黙って箸を動かしていた。

「やっぱり、氷河英人クンはとってもかわいいわねえ!もうオネーサンは大好きよん!」

ミサトは缶ビール片手に男性アイドルが歌う新曲をテレビに合わせて口ずさむ。

「ミサト、アンタさあ。新曲をどうしてそんなパーフェクトに覚えてるわけ?ホントに仕事してんの?司令たちが留守なのをいいことに毎日遊んでんじゃないの?」

「ちょっとお!いまサビの部分だったのにぃ!アスカ!あんた、邪魔しないでよ。もう・・・司令たちは明日からまた出てくるんだしさぁ。最後の晩餐を楽しんでるんじゃない!」

ミサトはアスカがアンドレから入手した値千金のコロッケを手でつまむとそのままかぶり付く。

「ふん。なーにが最後の晩餐よ。そんな大それたもの?ていうかさあ、ミサト。アンタそれでも女?箸使いなさいよ、箸!」

アスカはひょいっとシンジが大皿に盛り付けていたコロッケを赤い塗り箸で一つ摘み上げると自分の取り皿に置き、おもむろに黒猫印のとんかつソースを垂らしてソースの溜まりをコロッケの横に作り始めた。苦労していた箸使いも今は完璧だった。

「いいじゃん、別に。インドだったら手で食べるのが正式なマナーです、よーだ」

ミサトはそういうと自分が齧ったコロッケをいきなりアスカが取り皿の上に作っていたとんかつソースの溜まりに付けた。

「ちょっと!汚いわね!アンタ!何やってんのよ!」

「うーん。やっぱソースがあった方が美味しいわね、これ」

「・・・サイテー・・・」

アスカは躊躇いつつ自分のコロッケをソースの溜まりに付けて恐る恐る口に運ぶ。

「ごちそうさま・・・」

「あれ?シンちゃん、もう食べないの?」

「うん・・・ちょっと食欲が・・・」

シンクに自分の食器を持っていくとそのまま自分の部屋に戻っていった。シンジの後姿をキョトンとした目でミサトは見送った。アスカは無言のままシンジと目を合わせようともしなかった。

「どっか具合が悪いのかしら・・・アスカ、あんた何か知ってる?」

「アタシが知る訳無いじゃないのよ!」

アスカは吐き捨てる様に答えると向こう付けのタクアンをご飯の上に乗せる。当初、同じ皿から分け合って食べる習慣のなかったアスカは漬物に箸を付けようとしなかったがこの頃は抵抗も薄れている様だった。

「ふーん、なるほどね・・・」

ミサトは頬杖を付いてアスカを見る。

「何がなるほどよ・・・」

タクアンを齧ろうとしていた手をアスカは止めてミサトの方を見る。

「あんたたちさあ、また性懲りも無くケンカしてんでしょ?オネーサンに話して御覧なさいよ」

「なっ!してないわよ!アタシが聞きたいくらいよ!ホントに何いじけてんだか!見てるこっちがイライラしてくんのよ、全く!」

アスカはタクアンをご飯の上に再び戻すと茶碗と箸を荒々しくテーブルに置いた。

「嘘おっしゃい。アスカ、またあんたシンちゃんをコテンパンにしたんでしょ?違う?」

ミサトは勢いよく缶ビールを煽る。

「だからさあ・・・本当に知らないわよ!今日、学校帰りにアイツに商店街であった時からずっと・・・あんな調子なんだから・・・」

アスカが思わず視線をミサトから逸らす。その所作でミサトはアスカに心当たりがあると確信した。

「ふーん・・・で、何か思い当たる事とかはあんたに全く無いわけ?」

「アタシが・・・」

その時、アスカの携帯からベートヴェンのピアノソナタ 「悲愴」の第二楽章 が流れてくる。

アスカは面倒臭そうにショートパンツのポケットから携帯を取り出して受信メールを確認する。送信者を見た途端、アスカの表情が変わっていそいそとキッチンを出て行く。

その一部始終をミサトはビールを飲みながら見つめていた。

「ふっ、今のは男ね・・・」

どうやらそれがケンカの原因らしい、とミサトの女の勘がそう告げていた。缶をテーブルに置く。缶から殆ど空になった様な乾いた音がした。




 
アスカは阿武隈からメールを受け取ると直ぐにベランダに出た。そして阿武隈に電話する。阿武隈は3コール目でアスカの電話を取る。

「Hallo?阿武隈?アタシよ」

「あ、アスカたん・・・」

アスカたん!? 日本語って難しいわね・・・
次から次に色々な呼び方が出てくるわ・・・

「さっきはメールありがとう。実はさ、アタシ日本語あんまり読めないからさ。アンタのメール殆ど分からないのよね。ドイツ語で書いてくれるんなら嬉しいけどさ」

「ど、ドイツ語ですか!」

「ふふふ。冗談よ。それより、アンタ意外とテキパキしてんのね。ちょっと見直したわ。だって、デートコースをその日のうちに連絡してきたのってアンタが初めてよ」

アスカの見直したという言葉に阿武隈は顔を真っ赤にしていた。阿武隈はこれまで自分と同世代の人間からバカにされた事はあっても褒められたことは殆ど無かったからだ。

一方、阿武隈が何かを狙ってしたことではない偶然とった行動はアスカの琴線に触れていた。アスカは人から仕切られる事に不快感を持つタイプでは決してなかった。一見して勝気で押しが強い様に見えるがそれは自己主張をはっきりする様に幼い頃から教育されるドイツ人の特徴の一面に過ぎない。

アスカが他人の意見に全く耳を傾けないということではない。むしろ主張される事を好むのである。それを受け入れるかどうかは別にしてだが。

「で?アタシはどうすればいいの?」

「えっと・・・日曜日の朝九時に第三東京市のリニア駅の南口で待ち合わせしましょう・・・それから第二東京市まで行きます・・・乗り継ぎが便利な列車は確認しておりますので・・・はい・・・」

「分かったわ。第二東京市ってアタシ久し振りだわ。何かワクワクしてきたわ。アンタ、第二東京市での予定も決めてるわけ?」

「は、はい・・・新アキバにお連れ致しますのでお任せ下さい・・・詳しくはメールでお送りしたURLを確認して頂ければ・・・そ、その・・・お分かりになるかと・・・」

「凄いわ、アンタ!そこまで・・・じゃあアタシはアンタに付いて行くだけでいいのね?」

「は、はい・・・万事、準備いたします・・・ので・・・後は私めに・・・」

「OK!分かったわ。Danke!Tschüs!」

「は、はい・・・Ciao」

アスカは阿武隈とのこの電話ですっかり上機嫌になっていた。阿武隈の無造作に放った言葉はアスカの胸に響いていた。心地よかったのだ。

食卓に戻ったアスカの様子が一変していることにミサトは当然気付いていた。アスカはStrawberry Fieldの歌の鼻歌まで歌っていた。

こりゃ、もしかしてアスカに男が出来たのかしら・・・シンちゃんの落ち込みってもしかしてHeart Breakなんじゃ・・・そうだとしたらちょっと堪んないわね・・・

ミサトはアスカの様子をチラチラ窺いつつ本日3本目の缶ビールのプルトップを開けた。
 
 



Ep#03_(4) 完 / つづく

(改定履歴)
28th May, 2010 / 電車男OP「トワイライト」のハイパーリンクを削除
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