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新世紀エヴァンゲリオンの二次創作物、小説「Ihr Identität」を掲載するサイトです。初めての方は「このサイトについて」をご参照下さい。小説をご覧になりたい方はカテゴリーからEpisode#を選んで下さい。この物語はフィクションであり登場する人名、地名、団体名等は特に断りが無い限り全て架空のものです。尚、本ホームページに使用した「新世紀エヴァンゲリオン」の画像は(株)ガイナックスのガイドラインに沿って掲載しています。配布や転載は禁止されています。
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第1部 Mirror still-conflicting passion 
                汝、いまだ葛藤の激情を映したり


(あらすじ)

アスカが目覚めるとそこはネルフ本部敷地内にある医療棟の病室だった…
長い葛藤の末に見たものは何を暗示するのか…


Tears / X Japan 

 注) 動画自体は読者に予断を与えないために無意味にFFのものを選んでいます。作者個人的には「Hide追悼バージョンTears」がお気に入りです…FFバージョンで萎えたという方はこちらをどうぞ…
 
(本文)


ここは…?どこ…?アタシ…参号機を倒して…それから…どうなったんだっけ…

なんだろう…まるで身体が完全に溶けてしまった様に感覚がない…フィンランドの古い神話「
カレワラ」に出てくる大地創造の女神イルマタルが長い間、大海原を漂っていたというけど…

それはこんな感じだったのだろうか…自分が今…何処にいるのか…それさえもどうでもよくなってしまう…




アスカ…

誰…?誰か…いるの…?




アスカ…もうすぐ日本からお迎えが到着するよ…

加持さん…お迎えって…?何の話…?そうか…アタシ…夢を見てるんだ…ここは…国連軍の空母…加持さんの使っていた士官用のキャビン…




20080218235517.jpg日本に着いたらみんなと仲良くしなくちゃな…

そうだ…思い出してきた…アタシ達はミサトが空母に到着する前…東シナ海に出たところで日本で始まる新生活の話をしていたんだ…その時アタシは我慢していた思いに耐え切れなくなってつい言ってしまった…

仲良く…?何で…?何でアタシがそんな事をしなくちゃいけないのよ…?アタシは加持さんと一緒に生活出来るんじゃなかったの…?そして二人で記憶の欠片を集めるんだって…そう思っていたのに…


ほら言った…

二人で一緒に暮らせる筈がないって…分かってるくせに…ミサトがここ(空母)に来ればそこでオシマイになってしまうのに…アタシにかけられていた魔法は全て消えて…なくなってしまう…12時を過ぎた灰かぶり姫(Aschenputtel / グリム童話の一つ。別名シンデレラ)みたいに…

アタシは…また…一人ぼっち…それは…仕方がない…当然の報い…アタシは罰を受けている…そう思って諦めるしかなかった…




おいおい頼むよ…アスカ…リーゼルの誓いは始まるんだよ…まさか忘れたわけじゃないだろ…?

リーゼルの誓い…それはアタシがまだ10歳だった時…

世界で最も多くキスをされた少女リーゼルゲッティンゲンに預けられていた時…突然…そこに現れた加持さんと交わした約束…ゲッティンゲン旧市庁舎前の広場の噴水に鵞鳥を籠に入れた少女リーゼルの銅像(die Gaenseliesel)がある…2004年のネオナチ残党との戦いで一度は失われたけど市民の運動で復元された…

ゲッティンゲン大学で博士号を取った学生は(噴水に登って)リーゼルにキスをする慣わしがあるからリーゼルは世界で一番キスをされた女の子と言われている…

アタシはその噴水の前で加持さんに出会った…まるで自分がリーゼルになったかのように加持さんは優しくアタシの右頬にキスをした…アタシは恥かしくてまともに加持さんの顔を見ることも出来なかった…あんな素敵な人がこの世にいたなんて…信じられなかったから…

「Mein Prinzessin」

そう言われる度にアタシの心は躍った…まるでグリム童話に出てくるお姫様の様に…魔法の言葉…

本当のアタシには何もない癖に…孤児の癖に…アタシの親がどんな人で何処に住んでいたのか…自分が何者なのか…それすらも分からないのに…

みんなには…ハンブルクで生まれて親の都合でベルリンに引っ越して8歳までそこに住んでいたと言った…アタシには素敵なパパがいて…とっても優しいママがいたと…何十回…何百回と…会う人みんなにそう言った…

でも…

その度にアタシの心は悲鳴を上げていた…何故なら…アタシはそれを覚えていないから…ズィーベンステルネで「これがお前の過去だから覚えて置け」と言われて覚えたものだから…

一言一句違わず覚えている…ドイツ語で書いていいならアタシは…それを目を閉じたままで書くことも出来る…

あの時はよく泣いていた…

そうか…

アタシにも泣けた時期(とき)があったんだ…

恐ろしい巨人の様な看守に渡された一冊のノート…飾り気も何もない…気をつけないと紙で指がすぐ切れてしまう…ハンカチすら持たせてもらえなかったアタシは…紙で顔を切らないようにそれで涙を拭いた…

人はどうしてこんなに辛い思いをしながら生きなければならないのか…

牢獄の様な小さな部屋で…自分の身長よりも遥かに高いところにある小さな窓から差し込む僅かな光に…アタシは祈った…どうか…アタシの罪をお許し下さいと…いつかきっと…救い出してくれる…その日を信じて…

聖書にもあるわ…

「待っておれ。遅くともそれは必ず訪れる」…と…

そして…

その日がやっと訪れた…そう思った…そう思いたかった…でも…違ったみたい…加持さんとはもうじき会えなくなる…

不毛な会話が続く…




誓いだなんて…子供の時にした誓いなんて…無効だわ…女の子が父親のお嫁さんになるって言った約束みたいなものでしょ…?それを忠実に履行する人なんていないわよ…

アスカ…頼むよ…ここは大人になってききわけて欲しいな…

そんな言い方…卑怯だわ…何の答えにもなってない…大人って何なのよ…子供だったらどうだっていうのよ…同じ様に生を受けて生きている…魂に大人も子供もないわ…

その通り…この誓いは魂の問題なのさ…君が言ったとおり大人も子供も関係ない…誓いは誓いだ…

そ、そんな…今のはなしよ…ノーカウント…

世の中では今の君のロジックを何ていうんだろうな…

自己矛盾…

Genau
(その通りだ、独 /「ゲナウ」と読みます。)




そうやって加持さんはいつもアタシから逃げた…アタシがどんなに議論を仕掛けたところで軽く捻られた…

だから…

ある時…加持さんのホテルの部屋に押しかけて行って実力行使に出た事もある…でも…結局…それは自分の未熟さや幼さにただ愕然とするだけで自分自身が辛いだけだった…

あんな馬鹿なことはもうしない…




Eva
のパイロットは今、二人いるからね…初めての友達に…なるのかな…

友達…友達って…何…?どうすればいいの…?いつも最後は一人だった…だって…

みんな…殺したもの…アタシが殺した…みんな…この手で…氷の中で眠ってるわ…だから…アタシは毎日…祈りを捧げている…人を殺めた罪を…

そして…それは今も続いている…

アタシは教えられたのよ…多くを救うために必要だって…聖地を取り戻す戦いの様に…これは正義の戦いなんだって…

敵と言われたものは殺せ…

だから…殺すの…敵は殺す…容赦なく…

じゃないと…アタシは全てを失うの…逆らえば殺される…でも…加持さんは「生きろ」とアタシにいつも言った…なのに…




ようやく君は人との繋がりを持てるんだよ…それは君が自分を取り戻す大きな一歩になる…

どうしてそんな事をアタシにいうの…結局…アタシが友達というものを作れば…それを…また…手にかけなければならなくなる時が来る…それくらいならアタシは…

要らないわ…そんなもの…今更…アタシには…加持さんがいる…そうでしょ…?

加持さん…アタシ…自分なりに頑張ったわ…だから…生きてるの…アタシはここにいるのよ…?生きるために…アタシは殺した…全てを氷の底に沈めたの…アインさえも…

加持さん…ねえ…そうでしょ…?

加持さんなら…アタシと一緒にいてくれるんでしょ…?アタシを悪魔から護ってくれるんでしょ…?全ての望みが潰えた時は…アタシを殺してくれるんでしょ…?

それが…アタシの…アタシの愛した…Ritter…




そうだ…俺は君の
Ritterだ…そして君は…

いや…それ以上言わないで…




君は俺の…

いやよ…お願い…何も言わないで…壊れしまう…何もかもが…




アスカ…

何も聞きたくない…何も…要らない…アタシも…要らない…加持さんにとって…必要なアタシって…結局…昔のアタシってことでしょ…?


そして沈黙が訪れる…


何よ!!昔のアタシは必要とする癖に…今のアタシは…見てもくれないわけ!?会ってもくれない…連絡もしてくれない…声を聞かせてくれるだけでもよかった…アタシはここにいるのに…ずっと信じて待っていたのに…

アタシはここで生きてる…なのに見てもくれない…誰も…

それは…

アタシが汚れているから…どんなに隠しても…どんなに装っても…それは消えない…

だから…だから結局一人なんじゃない!!勝手なこと言わないで!!仲良くして何になるのよ!!どうして今更…仲良くしないといけないのよ!!




Mein Prinzessin

バカ!!加持さんのバカ!!大っ嫌い!!




加持さん…アタシ…加持さんがそう言うなら…仲良くしてみる…みんなと…アタシのこと…どう思うか分からないけど…ねえ…サードチルドレンって男の子なんでしょ?カッコよくって素敵な子だったらいいな…加持さんみたいに…

バカ!!アタシのバカ!!
 




アタシは…加持さんの言う通りにした…全て…

結局それは…誓いとか、好きとかという理屈や感情を抜きにして…自分というものがない…それに尽きたってこと…

だから…アタシは…バカなんだ…頭の悪い女だったってこと…
 







アタシは昨日…いや…今日?一人の不思議な男の子に出会った…

そして…いきなり…抱き締められた…


アスカ…


アナタは…?


アスカ…ごめんよ…


最初は戸惑った…何なんだろう…この子は…そう思った…本来のアタシなら相手の首を簡単に折っていたかもしれない…敵は殺す…それがアタシに与えられたミッションだから…

でも…

アタシはそれが出来なかった…あの子を見た時…不思議と逆らえなかった…

そして…理由も分からず…ただ…胸が痛かった…今まで感じた事のない…おかしな表現だけど…鈍いけど鋭い痛みだった…




何故…アナタは優しいの…見ず知らずの人に優しく出来るのは…何故…アタシみたいなヤツに優しくするのは…何故…

彼は答えなかった…ただひたすら…泣いて…アタシの名前を叫び続けた…




どうして…アンタはアタシの名前を…

初めてあった気がしなかった…まるで昔から知っているかの様に…アナタをまるで…生まれる前から知っていたかの様に…でも…アタシはそれ以上…考えるのを止めた…

ママの事を思い出そうとすると起こるあの頭痛…あの暗闇が再びアタシを犯しそうな予兆を感じたから…

それに…別の事を思い出してしまったから…







その日も口の中で奇妙な味がした…血の様な味…体中が気持ち悪くて…そして…痛んだ…指を動かすのですら億劫なほど…拷問にかけられているかの様に…

何もかもが同じだった…初めて…アタシが…人を殺した日…アタシの何かが…壊れた日…

唯一違うのは…太陽があること…夏といわれる日差しがあること…

あの時もアタシが目覚めると優しい顔がそこにあった…
鋭く細い…まるで針の様な雪…真っ白い世界がアタシたちを包んでいた…

どうやら…ここまでの様だね…エリザ…

彼だけが何故か…ズィーベンステルネでアタシの事をドリューと呼ばなかった…いつも優しかった…なのに…

アタシはアインを…

人には…未来がある…未来という希望が…君は生きなければいけない…その命がある限り…

嘘よ…こんなのって…アイン…どうして…あなたがここに…?早く…手を…

いや…エリザ…その引き金を引くんだ…僕は主の求めに従って…旅立とう…神なる国へ…

い…いやよ…

悩んでいる時間はない…僕をここで見てしまったと知れたら…君も…危険だ…

いやよ…どうして…どうしてあなたが…いいから!早く!手を出して!

僕にとって死は…生と等価値なんだ…

生と死が…等価値…あり得ない…あり得ないわ…そんなの…人間の命は一つ…限られてるのよ!それを等価だなんて…

まずい!無人探索機が近づいている!早くしろ!殺せ!早く殺せ!君には未来がある!奏でるんだ!神々しい霊感を歌い上げろ!

アイン…こんなのって…あんまりよ…アタシには出来ない!出来ないわ…

神なる場所で…歓喜の聖所で…君を待っているよ…僕達は巡り合う…きっとまた巡り合うだろう…君に…祝福を…

アイン!!

さよならは…言わないよ…エリザ…いや…Ev…


ズゴオオン!!


ガガ…パイロット…フロイライン?聞こえないのか?今の爆発はターゲットか?至急報告せよ…

涙が…涙が出ないの…アイン…ごめんなさい…

フロイライン!返事をしろ!お前の姿は今、探査機で確認しているぞ!何をしている!

Mission…Completed…Over…

このバカヤローが!!何をやっていた!規定時間を5分以上オーバーしているぞ!本当の戦いでは無尽蔵に外部電源があるとは限らないんだ!直ちに帰還せよ!その弛んだ根性を一から叩き直してやる!分かったか!フロイライン!

Sir…Yes…Sir…
 

耳を劈(つんざ)く吹雪だけが歌っていた…
 


Wem der große Wurf gelungen, Eines Freundes Freund zu sein, Wer ein holdes Weib errungen, Mische seinen Jubel ein!

ひとりの友の友となるという大きな成功を勝ち取った者、心優しき妻を得た者は彼の歓声に声を合わせよ

Ja, wer auch nur eine Seele Sein nennt auf dem Erdenrund! Und wer's nie gekonnt, der stehle Weinend sich aus diesem Bund!

そうだ、地上にただ一人だけでも心を分かち合う魂があると言える者も歓呼せよ!そしてそれがどうしてもできなかった者はこの輪から泣く泣く立ち去るがよい!
 


そしてアタシはその場(N-30)を立ち去った…でも…涙は流せなかった…その時…アタシは初めて自覚した…ついに自分の涙が枯れ果ててしまっていたことを…

アタシの涙の全てはベルリンの土に沁み込んでいる…
 





思い出したくない…

いや…心の壁に囲まれて封印していた筈のあの出来事を…アタシはどうしてあの優しいあの子に出会った時に思い出したのだろう…

汚れたアタシ…誰にも言えない…ずっと隠しているアタシの秘密を…


ただ…普通を装う事しか出来ない…誤魔化すしかない…ひたすら…明るく振舞って…踏み込まれない様にしなければならない…時に心の壁は命を繋ぐ上で必要になることもあると…アタシは知った…

壁の向こうに背を向けて…ただ…歓喜を歌い…奏で続ける…新たな刹那…空しさが訪れるならば…それもまた覆い隠せばいい…

そうやって人は…生を紡いでいくものだから…

そして…人は生きれば…生きるほど…汚れていく…傷ついていく…それでも尚…人は生きなければならない…そこに希望がある限り…


希望…未来という希望…汚れた魂は…何処へ行けば癒され…そして救われるのか…この世という地獄にささやかな救いがあるとすれば…それは…「心」の中にある…

魂と心…それを収める身体…そして…心の壁…それらがアタシを形作る…

それがアタシという存在…




あの時…アナタは…抱き締めてくれた…

こんなアタシを…何も言わずに…それは…まるで天国の様だった…救いとはこういうことを言うのかと…

アナタは泣いていた…アタシがどうして泣いてるの?って聞くと…彼は言ったわ…

この涙はあなたの為の涙なのだと…そしてまた泣いた…

自分はあなたに酷いことをしたんだと…悪い事をしたんだと…

酷いのも…悪いのも…アタシの方なのに…罪人はアタシの方なのに…彼は泣いていた…そんなに泣いたら涙が尽きてしまうって心配するくらい泣いていた…

だから…アタシは天に祈ったの…

彼が…彼の涙がどうか…アタシの様になって尽き果ててしまわない様に…

そうしたら…アタシは彼に包まれていた…その手は天使の様にアタシを癒してくれた…アタシの全てを包んでくれた…

だからアタシは思った…

アナタは許されてもいいと…アナタのこの行為でアタシは救われたの…だから…アナタも許されるべきだと…

だけど…

アタシはもう一度…アナタの為に主に祈るわ…アナタのその優しい顔に再び笑顔が戻るように…
 
アタシは…アナタに会うために…生まれてきたのかもしれない…アナタは人間…天使…それとも…他の何か…
 
アスカ…ありがとう…許してくれて…僕の過ちの全てを…
 
変な子ね…過ちを犯さないヒトなんている訳ない…ただ…過ちや罪を自覚しないことは…この世で最も恥ずべき悪徳…アナタはそれに気が付いた…だから許されてもいいのよ…

ありがとう…僕は…もう行くよ…

不思議な子…何処に行けばアナタにもう一度会えるのかしら…

主よ…この出会いに…そしてこの救いに感謝致します…
 
Amen…






アスカはゆっくりと目を覚ました。

そこがネルフ本部の医療棟の病室であることにすぐ気が付いた。

「…夢…長い夢だった…」

広い病室だった。自分の左側には大きな窓がありそこから溢れんばかりの光が差し込んでいた。

アスカがふと隣を見ると薄いレーヨンの様な布の衝立(ついたて)の向こうにレイが同じ様に横たわっているのが見えた。

「レイ…」

レイは頭に包帯を巻いたまま静かに寝息を立てていた。アスカはゆっくりと上体を起こす。

「…いたっ…」

左肩に鈍い痛みを感じて顔を顰める。

肩は包帯でグルグル巻きにされていた。右足にも同様に包帯が巻かれている。アスカはレイと自分のベッドの間に置かれているテレビ台に目を向けた。

17型薄型液晶テレビの前に太陽の光を受けて鈍く光る金属製のものを見つけた。ゆっくりと右手を伸ばしてそれを手に取る。

傷だらけになったロケットだった。アスカはゆっくりとそれを手で広げる。

「やっぱり…あの子だ…」

アスカは右手だけで器用にロケットの中から写真を取り出した。不自由な体勢だったためか右手からロケットと写真が零れ落ちる。

「あっ!やだ…危なかった…」

膝の上に落ちたロケットと写真を見て小さく息を吐いた。

「あれ…?これって…アタシの…字…」

アスカはつまみ上げると写真の裏に目を走らせていた。


Der Geliebte / der Berg Asama / 26.Juli, 2015


「今年の7月26日…浅間山…Geliebteって何か堅苦しいわね…でも…Liebling(英 Darling)を敢えて使わなかったって事はよほど特別な意味があったのね…」

アスカはチラッとレイの方に目を向けた。

レイは…これは…アタシの心だと言っていた…ということは…

「あの子はアタシの…」

アタシ達…好き合ってたってことなのか…

アスカはみるみる顔を曇らせていった。

「なのに…アタシ…何も覚えてない…」

次に会った時…アタシはどうすればいいの…名前すら分からないなんて…痛い…張り裂けそう…

アスカは右手を胸に当てて一人苦しみに耐えていた。






Ep#08_(1) 完 / つづく


 (改定履歴)
6th June, 2009 / 表現の修正
13th Mar, 2010 / 表現の修正
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